いよいよフォルクスワーゲンが変わった! 新型VWアルテオン・シューティングブレークはなぜ美しいのか?

頭上.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜17時50分~18時TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●ついにVWデザインの壁を打ち破った!?

 いまだかつてないフォルクスワーゲン(VW)が登場した。新型アルテオン・シューティングブレークである。

 2017年に上陸したVWの新フラッグシップで発売当初は5ドアセダンのみ。
 
 ところが今回のビッグマイナーチェンジで追加されたワゴンタイプのシューティングブレークがなんとも美しいこと! 

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 リアビューの伸びやかさではVWデザインの壁を打ち破ったともいえ、見方によってはメルセデス、BMWとも違うプレミアムな味わいを出し始めている。

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 最近のVWは日本市場をはじめ伸び悩んでおり、それは「宿命」ともいえるブランドイメージがゆえだった。

 社名がドイツ語で「国民(フォルクス)車(ワーゲン)」を意味するだけに、おいそれとプレミアムなスタイルや値付けにできない。そもそもVWグループの中にはアウディも存在する。

 しかしここ10年はメルセデス、BMWをはじめプレミアムブランドが驚異的に伸び、電動化にもコストがかかるだけに、VWも高級化を求められていた。その結果生まれたのが、アルテオンなのである。

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 骨格はエンジン横置きプラットフォームのパサート譲りだが、全長やホイールベースを伸ばして優雅なフォルムを獲得し、駆動もフルタイム4WDに特化。同時にフロントデザインにVWらしさを残しつつ先鋭化する。

 それがメタリックなストライプを極限まで際立たせたフロントグリルであり、なだらかなリアのファストバックフォルム。

 その、さらなる進化が今回登場した新型アルテオン・シューティングブレークなのである。

●エンジンもパワフルかつ鋭い2Lガソリンターボを唯一選べる

 全長×全幅×全高は4870×1875×1445mmのセダンと全く変わらない。ホイールベースも2835mmで同じ。しかしセダンからして初代より5mm伸び、10mm高くなっているし、とにかくリアフォルムのセクシーさがハンパじゃない。

 パサート・ヴァリアントと比べるとよくわかるが、リアピラーが寝ている一方バンパー位置は上がり、リアコンビネーションランプも横長。伸びやかさは比べものにならない。

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 かたやフロントマスクはセダンと共通だが、1stモデルと比べてグリル下の4本ストライプが3本になってより締まった印象を与えるし、デイライト状態で光るLEDラインがライト両端からセンターまで延長されている。

 いよいよここにきて、VWの新しい高級車デザインが定まってきたかのようだ。

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 インテリアはパサートを微妙に高級化したもの。ここは多少残念で横長10.25インチのメーター、デジタルコクピットプロは共通、9.2インチインフォテイメントシステム「ディスカバープロ」もパサートと基本同じ。

 しかし、アルテオンはデジタル装備を基本、全車標準とする。本革風でステッチの入った上部のドアトリムやインパネ中央のストライプデザインがより凝っている。シート表皮もパサートとはひと味違っている。

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 同時にすごいのはスペースユーティリティで、全長4.8mのボディはリアシートが広い上、ラゲッジ容量は565L。この高効率パッケージはメルセデスやBMWにもない。

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 さらに注目は走り味。乗り心地やハンドリングはパサートの延長上だが、アルテオンは他にないパワフルな272psの2リッターターボを搭載。

 2000rpmで350Nmの最大トルクを発揮し、それでいて7000回転近くまで俊敏に回るというある意味ディーゼルとガソリンターボのいいとこ取りユニット。

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 重厚な直6エンジンやメッキで塗りたくったようなド派手グリルは使えないが、まさにVWが持てるソリューション内で極限まで磨かれたプレミアム感を醸し出している。

 正直、パサートより100万円以上高い価格設定は悩ましいが、これまでのVWにはない鮮烈さと優雅な美しさ。アルテオン・シューティングブレークにハマる人は、間違いなくいるはずである。

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