最近、ボクが集め始めたシリーズがある。3㌅のブラーゴだ。ブラーゴは1976年にイタリアで創業したミニカーメーカーで、当初は18分の1スケールモデルを中心にリリースしていた。18分の1スケールは、一般にとても高額のモデルが多いのだが、ブラーゴはリーズナブルな価格を実現して、世界中で人気を博した。
その後ブラーゴは、43分の1スケールのモデルもリリースするようになったが、こちらも、とても安価だった。ただ、18分の1スケールは置き場所を取るのと、43分の1スケールはちょっと安っぽいので、ボクはこれまでブラーゴをほとんど買ってこなかった。
しかし、ボクの心を夢中にさせるモデルが、突然現れた。最近登場した3㌅モデル、つまりトミカ・サイズの小スケールのブラーゴだ。3㌅モデルは、2020年から“トミカプレゼンツ・ブラーゴ”として、タカラトミーが輸入・販売している。これまで色違いを含めて12種類が発売されており、車種はフェラーリがメインだが、シボレーやポルシェ、フォルクスワーゲン、そして日本車のホンダNSXもある。
トミカプレゼンツのブラーゴは、なぜか品番が振られていない。写真はラ・フェラーリだ。実車は、フェラーリ初の市販ハイブリッドカーとして2013年にデビューし、500台だけが作られた。 市販といっても、流通経路さえ明らかにされず、完全にプライベートで販売された。だから、実車が日本に何台存在するのかさえ明らかではない。当然、ボクは一度も見たことがないのだが、そんな幻のクルマを所有できるのも、ミニカー・コレクションの醍醐味だろう。
ラ・フェラーリは、トミカもモデル化している。トミカのほうが、精緻に作られていて、物理的な再現性は高いと思うのだが、ブラーゴのモデルのほうが、迫力が伝わってくる。やはりおひざ元のミニカー・メーカーだけに、思い切ったデフォルメができるからだろう。
トミカプレゼンツのブラーゴは、品番がないため、絶版になったかどうかがよくわからない。だが、すでに複数のモデルが入手しにくくなっている。この白いラ・フェラーリもそのひとつだ。ごく最近でいうと、ニューモデルがリリースされていないのも気がかりである。
こうした素晴らしいモデルは、シリーズとして、ずっと販売を続けてほしいと、ボクは切に願っている。