2023年は日産創立90周年の記念イヤーである。その創業の地である横浜工場で、GT-Rを愛するオーナーたちと実車、さらにそのモデルカーまでを一堂に集めるというユニークなイベント“第2世代GT-R 実車と模型の展示会”が開催された。
横浜工場の敷地内に並んだ実車は、R32型からR34型までの第2世代スカイラインGT-RからR35型日産GT-Rまで59台。オーナーズクラブを中心に、熱心なGT-Rオーナーが参加。
この日は地元ディーラーの商談イベントも開催され、普段は非公開のスペースがさまざまな参加者で賑わった。
横浜工場は現存する日本最古の自動車量産工場で、敷地内の旧本社ビルは現在も使用されている。そのゲストホールで開催されたのが日産車の模型展示会だ。プロモデラーやモデラーズクラブ、日産社内のモデラーたちが集まり、GT-Rをはじめとする日産車の作例を展示。プラモデルメーカー別の展示やコンテストも行われた。
この企画は、同工場勤務の飯尾寿樹さん発案によるもの。本誌「ART GARAGE」でも作品を紹介したオートモデラーで、R35 GT-Rのオーナーでもある。
「実車のGT-Rを愛するオーナーと、オートモデラーに共通するのは、日産のクルマや技術に対する思い入れがあること。90周年という節目にあたり、第2世代とR35系GT-Rのエンジンが生まれた横浜工場に集まっていただき、日産車のDNAを伝えていきたいと考えたのです」(飯尾さん)
模型の展示会場に併設された会場では、GT-Rゆかりのゲストがトークショーを行った。R34やR35の開発に携わり、現在は“e-POWER”の開発主管を務める仲田直樹さんと、2019年からSUPER GT・GT500クラスでGT-RとZをドライブする平手晃平選手の2人である。
仲田さんは現在R35を、平手選手はR32とR35、2台のGT-Rをそれぞれ所有しているという。開発とレースというそれぞれの立場からGT-Rの魅力や裏話を語り、会場を訪れたファンは熱心に耳を傾けていた。
横浜工場にはトップクラスのビルダーが手作業でエンジンを組み上げる“匠(たくみ)のライン”と呼ばれる専用エリアがある。この日は土曜日の開催だったが、工場は一部が稼働していた。参加者たちはGT-Rが生み出されてきた“故郷”の空気を楽しんでいた。