【魅力あるクルマのルーツ／復刻版カタログ】WRC（世界ラリー選手権）で大活躍した４WDスポーツ、セリカGT-FOURの熱き肖像

1986年トヨタ・セリカGT-FOUR（ST-165型）

　WRC（世界ラリー選手権）で戦うGRヤリスのルーツとなるセリカGT-FOUR（ST-165型）の復刻版カタログ。GRヤリスとはメカニズム上の繋がりはないが、その熱いスピリットは共通する。セリカGT-FOURは、1985年の東京モーターショーに参考出品され、翌1986年10月に正式デビューした。

　カタログでは「セリカGT-FOURは待望のフルタイム4WD機構を得て、高速オンロード4WDスポーツとして生まれた。４輪すべてを駆動輪とする4WDは、もともとが高い限界性能を持っている。この4WDが持つ能力をつねに発揮させるようにしたのがフルタイム4WD方式だ。悪路、雪道、凍結路等の特定の場面だけで4WDの優れた走破性を使うパートタイム4WDと違って、あらゆる走りで、あらゆる場所で、常時フルに4WDの威力を発揮させるという積極的な思想から生まれた。恐るべき走りのポテンシャルを内に秘めて、セリカGT-FOURはオンロードへと向かう」とアピール。2リッターの直4ターボ（185ps）を搭載し、トランスミッションは5速MT。GRヤリスと同様に当初からWRCで勝つことを目指して開発され、WRC参戦は1988年から開始。1990年には強豪のランチアを破り、カルロス・サインツ選手が、日本車初のWRCタイトル（ドライバーズチャンピオン）を獲得した。写真のカタログは1986年10月版（原寸298×245mm／30㌻編集）

※資料提供／ブックガレージ