4代目のフェアレディZ(Z32型)は1989年2月の北米シカゴ・ショーでワールドデビュー。同年7月に日本仕様を発表し「スポーツカーに乗ろうと思う」のキャッチコピーで注目を集めた。カタログでは「Z32を設計するに当たり、我々が掲げた開発基本テーマは“1990年代をリードする新世代の本格スポーツカーエンジンを作ること“であった。コンセプトは①圧倒的な高出力と中・低速域における高トルクの両立。②高回転域まで一気に吹け上がる極めてシャープで滑らかなドライバビリティの実現。③あらゆる条件下で発揮される高い信頼性の3点である。これらを実現するためZ32では、2960ccの排気量を持ちながら、運動性能を高める前後重量配分の最適化を可能にするV6型エンジンを新開発した」と記載し、従来エンジン(VG30E型)をベースにしながら、実質的には全面新設計であることをアピールした。
ラインアップは2シーター(全長×全幅×全高4310×1790×1250mm)と2by2(同4525×1800×1255mm)の2シリーズ。それぞれにツインターボ(280ps/39.6kgm)と自然吸気(230ps/27.8kgm)を設定した。駆動方式はFR、足回りは4輪マルチリンク式、全車が脱着可能なガラスルーフを備えたTバールーフ仕様(一部グレードに未装着車も設定)だった。
※資料提供/ブックガレージ