初代ロードスター(NA型)は、1989年2月の北米シカゴ・ショーで「MX-5ミアータ」としてデビュー。日本では7月に発表され、9月から「ユーノス・ロードスター」の名称で発売された。カタログ冒頭では「だれもが、しあわせになる。」と記載し、見慣れた街の風景が華やぎ、走らせる楽しさが、心をときめかせるスポーツカーであることをアピールした。開発コンセプトは「人馬一体」。その意味することを「ユーノス・ロードスターの開発を担当した主査の名刺には、勢いのある筆で“人馬一体”と書かれている。“人車”ではない。“人馬”である。馬の力をフルに引き出すため、愛情と努力を注ぐことを惜しまない乗り手、そして乗り手のわずかな動きをたちどころに察して反応し、乗り手の心と一つになって大地を思いのままに駆けめぐる馬。乗り手と愛馬との間に通う、そうした一体感こそ、ドライバーとスポーツカーを結ぶ一番の絆であるとの思いが、“人馬一体”という言葉には込めれている」と説明していた。
ロードスターは古き良き時代のFRライトウェイト・オープンスポーツを現代の技術で再現した名車。絶対的なスペックや、ハイメカニズムよりも、クルマの性能をフルに引き出して走る楽しさを何より重視していた。デビュー当初のパワーユニットは、1.6ℓ直4DOHC16V(120ps/14.0kgm)、トランスミッションは5速MT、車重は940~970kg、ボディサイズは全長×全幅×全高3970×1675×1235mmだった。カタログは1989年9月版(全34ページ編集/原寸295×295mm)。
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