【20世紀名車ギャラリー】大人を魅了するスパスタンスポーツ、1956年式オースチン・ヒーレー100の肖像

ヒーレー01豪快な加速と魅惑のエグゾーストノートが最高

 1956年式オースチン・ヒーレー100。オースチン・ヒーレー100はレーサーとして活躍したドナルド・ヒーレーが製作したブリティッシュスポーツ。このクルマが発表された1952年のロンドン・モーターショーでヒーレーとオースチン社は電撃契約を締結。新型車は「オースチン・ヒーレー100」として発売された。1956年までの初期型は2.7リッターの直4ユニット(90ps)で1957年からエンジンを2.6リッター直6(102ps)とし車名を「100・6」に変更。さらに1959年にはパワーユニットを2.9リッター(124ps)に拡大して「3000」に発展する。1968年生産終了、総生産台数は約7万3000台。

ヒーレー リア

☆ヒーレー100/3000シリーズは“カニ目”の愛称で知られるヒーレー・スプライトMk-Ⅰの兄弟車で「ビッグ・ヒーレー」と呼ばれた。

エンジン

☆2660ccの直4エンジン(90ps)はトルクフル。キャブレターはSU型ツイン。

スクリーン

☆フロントウィンドウは特殊ヒンジ付き。スクリーン全体を傾けることができる。

ボンネット

☆ボンネットのエアルーバーと革製キャッチベルトは限定車の100Mと共通ディテール。

タイヤ

☆タイヤは前後165SR15サイズのミシュランXZX。フロントブレーキは3000用のディスク式に改良。

リアランプ

☆リアランプは小型形状。下側がブレーキ&ウインカー、上部は反射板(リフレクター)。

インパネ

☆ドライビングポジションはステアリングが近いビンテージスタイル。ステアリングホイールの繊細なスポークは路面からのキックバックを和らげる効果がある。ドアは内側のひもを引くと開く。

シート

☆サポート性に優れたバケット形状のシートはスライド式。内装はシートを含め張り替え済み。着座位置は非常に低い。

メーター

☆速度計はmph表示、タコメーターのレッドゾーンは4800rpmから設定。ステアリング中央にウインカースイッチ配置。

シフト

☆OD付き4速MTはショートストロークタイプ。

ペダル

☆各ペダルは重い。足元にはエンジンの熱気がこもる。

トランク

☆トランクリッドを開けると給油口(右側手前)が現れる。トランクは意外に広い。

フロント

☆扇形のフロントグリルは初期型4気筒モデルの特徴。6気筒エンジンを搭載した1957年以降は楕円形グリルに変更された。4気筒モデルはセブリング12時間やミッレ・ミリアなどのスピード競技で活躍。6気筒モデルはラリーで好成績を残した。

前

[新車時の車両データ]
サイズ:全長×全幅×全高3820×1460×1220mm、ホイールベース2330mm、車重1050kg、エンジン:2660cc直4OHV8V、90ps/4000rpm、トランスミッション:4MT (OD付き)、サスペンション:フロント:Wウィッシュボーン/リア:リーフリジッド、駆動方式:FR、乗車定員:2名、タイヤ&ホイール:5.90-15+ワイヤースポーク、右ハンドル仕様

エンブレム

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