あなたがクルマの中でよく聴くのは、YOASOBIやOffical 髭男dismなどの最新J-POP、それともBTSなどのK-POP、あるいはCreepy Nutsなどのヒップホップ、どんな音楽だろうか。
いまの時代、さまざまな音楽が溢れているが、その中でもFMステーション編集部がいまおすすめしたいのが、ネオ・シティ・ポップという音楽ジャンルだ。ネオ・シティ・ポップとは、昨今世界中でブーともなっているシティ・ポップから何らかの影響を受け、2010年以降にリリースされた音楽を指している。
そもそもシティ・ポップとは、1970年代~1990年代にかけて制作された、洋楽のAOR、ソウル、ソフトロックなどに影響を受けた日本の音楽。代表的なアーティストというと、山下達郎、杉山清貴、杏里、竹内まりや、松任谷由実などがあげられる。メロディの特徴は、それほど激しくなく、重くなく、聴き心地がよく、軽快で柔らかい。
歌詞は洗練された都会の生活を綴っている場合が多い。その曲調や歌詞からクルマとの相性がよく、また大人っぽいオシャレな音楽として評価されていたため、当時の若者の間では、シティ・ポップをドライブのBGMとしてかけるのが流行していた。
さて、ネオ・シティ・ポップの注目アーティストといえば、ジャンク フジヤマをはじめとしてPenthouseやGOOD BYE APRILなどがあげられる。ネオとつくだけあって、当時のシティ・ポップを再現するのではく、音数の増加やコンピュータの多用などによって、現代版にアップデートされた音楽に仕上げている。
ジャンク フジヤマは2024年3月6日に大橋純子『テレフォン・ナンバー』を含むシティ・ポップのカバー集『憧憬都市 City Pop Covers』をリリース予定だが、アレンジ面や音の厚みなどでオリジナル曲とはひと味異なる魅力が楽しめる。もちろん、シティ・ポップ同様、ネオ・シティ・ポップもクルマとの相性がいい。
それを物語るように、Penthouseの新曲『フライデーズハイ』は、日産エクストレイルe-4ORCEのCMソングに選ばれている。
ネオ・シティ・ポップを楽曲の要素として取り入れている人気アーティストの曲にも注目してほしい。まずはVaundy。リリースした曲のうち10曲がSNSで各1億回再生を記録し、いまや日本を代表するアーティストのひとり。
彼の代表曲『東京フラッシュ』は、AOR調のメロディ、重なりあうムーディなコーラス、東京という単語が出てくるなど都会的な歌詞となっていて、まさにネオ・シティ・ポップだ。最新シングル『タイムパラドックス』(24年2月リリース)は、ピアノがメインの軽快な曲で、80年代のビリー・ジョエルを思い出させるようなネオ・シティ・ポップな1曲になっている。
もうひとり、2023年大晦日のNHK紅白歌合戦に出場し、一躍認知度を上げたのがキタニタツヤ。そのときに歌った『青のすみか』はソウルフルなシティ・ポップ調だ。キタニがシンガーソングライターのYAMAとコラボしたヒョンデの電気自動車『KONA』のCM曲『憧れのままに』は、作中で使われる80年代調アニメ同様にシティ・ポップ感あふれる楽曲で、ドライブのBGMにうってつけだ。
今年1月10日にリリースされたニューアルバム『ROUNDABOUT』にも数多くのネオ・シティ・ポップ調の曲が収録されているのでおすすめだ。
『タイムパラドックス』
発売中 仕様・価格:初回生産限定盤¥2,300/通常盤¥1,300
『ROUNDABOUT』
発売中 仕様・価格:初回生産限定盤(CD+BD アナログJK仕様)¥8,140/通常盤(CD only)¥3,520
『憧憬都市 City Pop Covers』 発売中 価格:¥3,300