【20世紀名車ギャラリー】ポルシェの原点にして完成形。1964年式356SCクーペの肖像

ポルシェ メイン走るほどに発見があるヒストリックスポーツ

 1964年式ポルシェ356SCクーペ。ポルシェ356SCは、1948年にオーストリアのグミュントで産声を上げポルシェの名声を決定づけた356の最終版。356Cは1963年8月に登場し911にバトンタッチするまで高い人気を誇った。356Cはブレーキが4輪ディスクに進化し、走りのトータル性能を高めたのが特徴。SCは95psユニットを搭載したハイパフォーマンスモデル。トップスピードは185km/hに達する。紹介するモデルはエンジン&トランスミッションをオーバーホールした内外装ともに極上モデル。ファーストオーナーは北米ロサンゼルス・ビバリーヒルズ在住で1964年4月2日にデリバリーされた。

リア

リアスタイル/356Cは356B時代と共通のT-6ボディを採用。Cを見分ける外観上のポイントはホイールPCDの変更に伴い、ホイールキャップ中央の膨らみが亡くなった程度。マフラー出口はリアバンパーのオーバーライダー下部にセットされている

エンジン

エンジン/616/6型1.6リッターフラットフォーは3000rpm以上が得意領域。高回転域のサウンドは刺激的

ライト

ヘッドライト/ライトユニットはカバー内側に配置。北米基準に適合させるためヘッドライト位置は比較的高い

タイヤ

タイヤ/165HR15サイズのラジアル装着。SCはリアに補助スプリングを配置したスポーツサスペンションを装着。

ブレーキ

ブレーキ/356SCのブレーキはATE製の4輪ディスク。制動能力は強力で信頼性が高い

トランク

トランク/容量50リッターのガソリンタンクとスペアタイヤを収納するためやや浅い印象。バッテリーはスペアタイヤ下に配置する

ルーバー

エンジンルーバー/2分割ルーバーは356Bと共通。車名エンブレムはゴールド仕上げ

室内

室内/インパネは上部の分厚いクラッシュパッドが特徴。中央に時計とオーディオをレイアウトする。ステアリングホイールは大径3本スポーク。操縦性はシャープ。限界を超えるとスリリング

前席

後席

前席はリクライニング機構付き。クッションが厚く身体が適度に沈むためサポート性は上々。+2構成の後席は荷物用にも最適スペース

メーター

メーターは3連形状。ドライバー正面に回転/速度/燃料&油温計をレイアウトする

シフト

トランスミッション/4速MTのシフトフィールは確実な印象。ストロークはやや大きめ

ペダル

オルガン式ペダルは911も継承した空冷ポルシェの伝統。クラッチは適度に重い

【主要スペック】

エンブレム

モデル=1964年式ポルシェ356SCクーペ
全長×全幅×全高=4010×1670×1336mm
ホイールベース=2100mm
車重=935kg
エンジン=1582cc水平対向4気筒OHV(616/6型)
最高出力=95ps/5600rpm
最大トルク=12.6kgm/4200rpm
トランスミッション=4速MT
サスペンション=前ダブルトレーリングアーム/後シングルトレーリングアーム
ブレーキ=前後ディスク
駆動方式=RR
乗車定員=4名

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