レコードだけでなく、新譜を出す際にカセットテープで出すアーティストが増えてきている。それもマイナーなアーティストが話題作りのために出すのではなく、有名アーティストが、音楽を聴くための手段の一つとして考えリリースしているのだ。
海外では、テイラー・スウィフト、レディー・ガガ、ビリー・アイリッシュなど、日本ではカセットテープリリースにとても積極的な山下達郎を筆頭に、Vaundy、あいみょん、竹内まりあ、スピッツなどがカセットテープで新譜をリリースしている。
またカセットテープを聴くためのラジカセも再評価されてきている。東京の渋谷にある東急ハンズでは、懐かしのラジカセを販売するスペース『DESIGN UNDERGROUND SHIBUYA-BASE』がある。当時流行った大型のものや、ダブルカセット搭載のものが数多く並び人気だ。ここでは持ち込みで修理もおこなっている。
1980年代に青春を送った人たちにとって、最も身近な音楽アイテムはカセットテープだった。レコードはかける際に、傷をつけないように丁寧に取り出し、静電気でついたホコリをふき取り、慎重にレコード針を落とすなど、手間がかかる。しかし、カセットテープは、取り扱いがとても楽で、さらにウォークマンなどポータブルラジカセが流行していたので、屋外に持っていても楽しむことができた。日常はカセットテープで音楽を楽しむことが多かったのだ。
そういった世代にとって、カセットテープの復活は、自分の愛用品が再評価される喜びがあり、なんともうれしい。今後のカセットテープの盛り上がりがとても楽しみだ。