2025年5月号の連載企画『クルマと音楽』で解説をしたが、現在の日本のエンタメ界では、最新リリースされたものだけでなく、過去作を発掘して楽しむ『リバイバルブーム』が起きている。
2024年は、RIP SLYMEの『熱帯夜』(2007年)やラッツ&スターの『め組のひと』(1983年)、松田聖子の『青い珊瑚礁(1980年)』などの作品がヒットした。
そのきっかけとなったのが、誌面でも説明したがSNSでの拡散だ。現在、エンタメを楽しむ際の大きな手段となっているYouTube やTikTok、Instagramで、は“踊ってみた” “歌ってみた”が人気のコンテンツだ。これらをパフォーマンスする際のBGMや歌唱曲として新しい曲が常に求められている。
この“踊ってみた” “歌ってみた”をパフォーマンスし、見て楽しんでいる層のメインは10代、20代だ。彼らは、ネットを駆使し、新旧に関わらず、“踊ってみた” “歌ってみた”でウケる楽曲を探し出しているのだ。
そうした中、過去の曲、いわゆる昭和、平成初期の楽曲がフィーチャーされる大きな理由が、サビの部分がキャッチーで同じフレーズを連呼するものが多く、収録時間は短いTikTok、Instagramで使いやすくかつ印象に残りやすいからだ。その代表と言えるのがラッツ&スターの『め組のひと』だ。サビで連呼される♪~めっ♪はとてもキャッチーで、さらにポーズもポップ。フレーズが短く、音と目にとても印象に残る。
リバイバルブームというと、昔聴いていた年配者が、懐かしがって盛り上がっていると思っている方が少なくないと思うが、実は、キッカケや盛り上げりへの拡散は若い世代がになっているだ。さらにSNSでよく流れるようになり、それを年配者が懐かしみ大きな流行になっている。
作品サイト:
松田聖子
『Seuko My Love-Yoshiko Miura Works-』
リリース中
CD2枚組/3300円
販売サイト:https://seikomatsuda.lnk.to/SeikoMyLove_YoshikoMiuraWorks_PKG