ハコスカGT-Rの心臓を搭載した伝説モデル、日産フェアレディZ432(S30型)の肖像

1969年式 日産フェアレディZ432 初代フェアレディZはスポーツカーを「スパルタンなオープン」から「快適なGTクーペ」に変えたエポックモデル。432のネーミングは「4バルブ・3キャブレター・ツイン(2)カム」に由来する

1969年式 日産フェアレディZ432 初代フェアレディZはスポーツカーを「スパルタンなオープン」から「快適なGTクーペ」に変えたエポックモデル。432のネーミングは「4バルブ・3キャブレター・ツイン(2)カム」に由来する

快音を奏でる高性能DOHC24V。操る高揚感は格別

 日産フェアレディZ432(S30型)は世界的な大ヒットとなった初代フェアレディZのトップグレードであり、モータースポーツ参戦を意識した日本市場専売モデル。ハコスカのGT-Rと共通のS20型2リッターDOHC24V(160ps/18.0kgm)を搭載。210km/hのトップスピードと0→400m加速15.8秒を誇った。「432」のネーミングはS20型エンジンの「4バルブ・3キャブレター・ツイン(2)カム」に由来する。432のレース初優勝は1970年4月。最終的に初代フェアレディZのレースマシンは240Zに移行したため、432の活躍期間は短かった。

リア

リアスタイル/初代フェアレディZは当時の米国日産社長だった片山豊氏が基本コンセプトを提案したと伝えられている。当初から世界戦略車として設計された先進スポーツカーだった。初代Zは世界的なヒット作だが、432の生産台数は約420台と少ない

エンジン

エンジン/珠玉のS20型はソレックス製キャブレターを3連装。2リッター直6DOHC24Vのレスポンスはシャープ。タワーバーはノンオリジナル

マフラー

エグゾーストエンド/432のエンドパイプは縦型2連。写真は社外のステンレス製だが形状は標準と共通

ライトカバー

ヘッドライト/奥まった形状のヘッドライトが初代Zの特徴。写真のアクリル製ライトカバーは当時のオプションアイテム

タイヤ&ホイール

タイヤ&ホイール/オリジナルは6.95H-14タイヤとマグネシウム製ホイールの組み合わせ。取材車はラジアルタイヤと社外アルミ装着

ボンネットサイド

ボンネットサイド/ボンネット両サイドはメンテナンスリッドになっている

フェンダーミラー

フェンダーミラー/砲弾型ミラーは艶消しブラック仕上げ

インパネ

インテリア/インパネは立体形状。室内中央の補助メーターは最新モデルも継承するZのアイデンティティ。取材車は純正ウッドステアリング装着。ブラックで統一した室内は精悍な印象

シート

シート/シートはビニールレザー製ハイバック形状。サポート性に優れる。リクライニング機能付き。着座位置は低く、乗り心地は硬め

メーター

メインメーター/速度計は240km/hスケール。タコメーターは7400rpm以上ガレッドゾーン

3連メーター

3連メーター/3レンメーターは水温/油圧/電流/燃料/時計の5種類の情報を表示。時計はストップウォッチ付き

シフト

シフト/ミッションは5速MT。シフトノブはウッド製

ペダル

ペダル/フットレストを標準装備したフットスペース。クラッチは重い。フロントブレーキはディスク式

ハンドスロットル

ハンドスロットル/コンソール部にエンジン暖気用ハンドスロットルをレイアウト

ラゲッジ

ラゲッジスペース/荷室は浅いが幅と奥行きは十分。タワーバーはノンオリジナル

1969年 日産フェアレディZ432主要諸元

正面

新車時価格=185万円
全長×全幅×全高=4115×1630×1290mm
ホイールベース=2305mm
車重=1040kg
エンジン=1989cc水冷直列6気筒DOHC24V(S20型)
最高出力=160ps/7000rpm
最大トルク=18.0kgm/5600rpm
トランスミッション=5速MT
サスペンション=前後ストラット
駆動方式=FR
乗車定員=2名
タイヤ&ホイール=6.95H-14+マグネシウム

リア

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