「フィアット600ムルティプラ」の復刻版カタログ。カタログは1957年の英語版(原寸205×282mm、8ページ編集)。ムルティプラは1955年に登場したイタリアの国民車「フィアット600」のマルチパーパス仕様として1956年にワールドデビュー。エンジンを後方に配置するコンパクトなRRレイアウト車ながら、天才設計者といわれるダンテ・ジアコーサ氏の手腕で、圧倒的に広く多彩に使える室内空間を実現した。モノフォルムのボディの内側には、定員4/5名の2列シート仕様と、定員6名の3列シート仕様を設定。ともに後部座席を折りたたみ式とすることで、大量の荷物の積載にも対応した。ちなみに2列シート仕様は、前後席のフルフラット化も可能だった。エンジンは613ccの直4OHV(22hp)。4速トランスミッションを介してトップスピードは90km/hに達した。ボディサイズは3530×1450×1580mm。600ムルティプラは1960年には、767ccユニット(32hp)を積む600Dムルティプラに発展する。
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