【20世紀名車】「スウェディッシュ・フェラーリ」といわれた造形、1972年ボルボ1800Eの肖像

1972年式ボルボ1800E。アメリカ市場をメインターゲットに開発されたスポーツクーペ。スタイリングはイタリアのカロッツェリア・フルアが担当。1959年にデビューし1973年までに4万7492台が生産された

1972年式ボルボ1800E。アメリカ市場をメインターゲットに開発されたスポーツクーペ。スタイリングはイタリアのカロッツェリア・フルアが担当。1959年にデビューし1973年までに4万7492台が生産された

乗るほどに愛着が増すロングライフ・スポーツカーの代表選手

 ボルボ1800Eは、アメリカ市場をメインターゲットに開発されたスポーツクーペ。スタイリングはイタリアのカロッツェリア・フルアが担当。そのスタイリングに対する評価は高く、一部では「スウェディッシュ・フェラーリ」といわれた。メカニズムは「アマゾン」の愛称で知られる120シリーズをリファイン。1959年にデビューし1973年まで総計4万7492台が生産された。当初P1800だったモデル名は1800S/1800Eに変更された。エンジンは初期型が1.8リッター、1968年に2リッターに拡大。1971年にはガラスハッチを備えたスポーツワゴンの1800ESも登場している。

リア

リアスタイル/イタリアのフルアが担当した造形はスタイリッシュ。1961年には「カリフォルニア・ステートフェア」で最優秀デザイン賞を受賞。ドア後部でキックアップしたキャラクターラインが特徴だった

フロント

フロントスタイル/ボルボらしくタフで愛着が湧くキャラクターの持ち主。アメリカのアーヴ・ゴードン氏は1966年式1800Sで300万マイル(約480万km)以上を走行した

ヘッドライト

ヘッドライト/ヘッドライトは丸型形状。大型サイズのサイドウインカーが安全性を重視するボルボらしい

タイヤ

タイヤ&ホイール/取材車は195/65R15サイズの国産ラジアルタイヤ装着。ホイールは5穴仕様のスチールが標準だった

リアランプ

リアランプ/リアランプは小型形状。ブレーキ/ウインカー一体デザイン

ドアハンドル

ドアハンドル/ドアハンドルはボディのサイドモールとコーディネートさせた凝った造形

燃料リッド

フューエルリッド/燃料リッドをエアディフレクター横に配置する

エンジン

エンジン/1800Eが搭載するインジェクション仕様の2リッター直4OHVユニット(135ps)は低回転域から太いトルクを発生する

マフラー

エグゾーストエンド/エグゾーストエンドは2本出し。排気音は実用車ライクな音質

インパネ

インパネ/各部の作りは上質。インパネ加飾は木目調仕上げ。ステアリングはロック・トゥ・ロック3.25回転のノンパワー式。走行中の操舵力はさほど重くない

メーター

メーター/タコメーターは6000rpm以上がレッドゾーン。1800Eのトップスピードは185km/hに達した

シフト

トランスミッション/OD付き4速MTは節度感あるシフトフィール

サイドブレーキ

パーキングブレーキ/パーキングブレーキは室内中央ではなくサイドシル部にレイアウト

前席

フロントシート/ハイバック形状の本革シートは大型サイズ。乗り心地とサポート性は優秀

後席

リアシート/後席は頭上/足元スペースともにミニマム。シートバックは前倒し可能

トランク

ラゲッジスペース/トランクは奥行き/深さともに広く実用的

フロント

1972年式 ボルボ1800E 主要諸元

リア

新車時価格=251万円
全長×全幅×全高=4350×1700×1280mm
ホイールベース=2450mm
車重=1175kg
エンジン=1986cc直列4気筒OHV
最高出力=135ps/6000rpm
最大トルク=18.0kgm/3500rpm
トランスミッション=4速MT
サスペンション=前ダブルウィッシュボーン/後トレーリングアーム
駆動方式=FR
乗車定員=4名
タイヤ&ホイール=185/70HR15+スチール

エンブレム

 

 

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