トヨタは、2022年10月21日(金)から23日(日)の3日間、代官山蔦屋書店/DaikanyamaT-SITEの協力のもと、イベント『DISCOVER YOUR CROWN. THE ROADSHOW. at 代官山 蔦屋書店/Daikanyama T-SITE』を開催した。イベントのレポートをお届けする。
『DISCOVER YOUR CROWN. THE ROADSHOW.』は、“知る”、“触れる”、“走る”、“集う”といった様々な体験を通して、新型クラウンの魅力を味わえる期間限定のポップアップギャラリーだ。これまで神奈川県湘南、千葉県柏の葉を巡り、先月東京代官山の蔦屋書店/ T-SITEにて4会場目のイベントが開催された。
うち3会場では車両展示だけでなく、新しいクラウンのブランドストーリーを体験するCROWN GALLERYや試乗プログラム、代官山ではクルマファンが集うトークショーやモーニングクルーズも実施され、長い間、トヨタを代表するフラッグシップとして愛されているクラウンへの想いや、新しいデザインで新時代のフラッグシップとして生まれ変わった、新型クラウンへの期待溢れる熱気や注目が会場を賑わせた。
21日の夜には、雑誌Penの10月号で新型クラウンを撮影したカメラマン長山一樹氏と、クラウンのチーフデザイナーの宮﨑満則氏によるトークセッションを開催。「クラウンらしさとはなにか」従来のクラウン像にとらわれず新しいセダンの形を追求した宮﨑氏のこだわりを、普段は人物の撮影がメインで、車クルマの撮影は珍しいという長山氏がどのように感じて、撮影で表現したのか。異なる視点からトークが繰り広げられた。
デザイナーとして新しいクラウンのデザインを追求する中、従来のクラウンファンが離れてしまうのではという心配もあった宮﨑氏。しかし、伝統のある「トヨタ クラウン」を通じて、現場でデザインに携わる若いデザイナーたちが「セダンの良さ」を感じて研究していく中で、今の時流に乗ったセダンを造っていくことが「トヨタ クラウン」という老舗にとって大事なことだととらえたという。苦悩がありながらも生み出したデザインからカメラマンの長山氏は時代の変化を感じ、自身も変わっていく必要をクラウンから覚え、撮影時は"夜明け"というテーマで新たな誕生を表現した。
トークショー参加者からは、「どのようなところでクラウンらしさを表現したのか」といった、こだわりを深掘りする質問に対して、開発時の全員で新しいクラウンをつくり上げた現場の秘話も繰り広げられ、つくり手である宮﨑氏、表現者である長山氏とトークショーに集まったファンとともに熱気のあるイベントとなった。
22日の朝、代官山の会場には往年のクラウンなど様々なクルマファンが集結した。秋晴れの好天に恵まれ、会場ではクラウンオーナーをはじめとしたクルマファン達が愛車やクラウンへの愛を語り合い、心地よい雰囲気の中で談笑が聞こえてきた。チーフエンジニアの皿田氏やチーフデザイナー宮﨑氏はファン達に囲まれ、新型クラウンを生み出したこだわり、苦労話などについて語り合っていた。
22日のモーニングクルーズの後、クリス・ペプラー氏の軽快な開会挨拶で始まったトークセッションが開催された。クラウンのチーフエンジニアを務めた皿田氏は、お客様の"クラウン像"を変えてしまうのではないか、という不安もあり、その一方で、わくわくもあり、新型クラウンを発表した時や、トークショーの前に参加したモーニングクルーズでも思っていた以上の反響に驚いたという。
物心ついた頃からクジラクラウン(四代目)が家にあった岡崎五朗氏からも「最初に見たときは、えーこれがクラウン?と思った」と率直なファーストインプレッションが伝えられながらも、岡崎氏から「実車に触れる回数が増えるごとにのめりこむ感覚があり、試乗で乗り込んで、タイヤをひと転がしした時から、これはクラウンだね。と確信した」と試乗時の感想を伝えられた時には皿田氏も思わず笑顔が溢れていた。
豊田章男社長から「一度原点に戻って、これからの新しいクラウンを本気で考えよう」と大号令があった今回の開発秘話から、伝統を背負い変革が難しいクラウンに向き合い、開発陣一丸となって取り組んだ苦悩など開発ストーリーやお客様とこれからもより良いクルマづくりをしていきたいという想いが熱く語られた。