ジャガー・ランドローバー、グッドウッド・リバイバル・パレードでエリザベス2世女王陛下を称える

 ジャガー・ランドローバー(JLR)は、エリザベス2世女王陛下の一周忌に哀悼の意を表して、グッドウッド・リバイバルにおいて、英国王室と深い関わりと歴史をもった9台の「RANGE ROVER」と「DEFENDER」によるパレードランを実施した。

パレード風景

▲グッドウッド・リバイバルで実施されたLAND ROVER車両のパレード

 このパレードランには、王室が公用車および個人的に使用されたJLR車両が登場。これらの車両には、王室御用達車両、JLR CLASSIC車両、そしてプライベート・コレクション車両が含まれていた。

このイベントには合計11台の歴史的モデルを出展されたが、最も古い、つまり最初に王室で使用された「SERIES I STATE REVIEW」およびジョージ6世国王陛下が注文したとされる「SERIES I」が展示された。これほど貴重なコレクションが一堂に会するのは、今回が初めてのことだ。

「PROTOTYPE」(HAC 379)(写真左)と「SERIES I STATE REVIEW」(写真右)

▲「PROTOTYPE」(HAC 379)(写真左)と「SERIES II STATE REVIEW」(写真右)

■JLRのチーフ・コマーシャル・オフィサーであるレナード・ホーニック氏 コメント
「私たちは、創業当時にまで遡る王室との関係を誇りに思っており、エリザベス2世女王陛下の一周忌にふさわしい形で哀悼の意を表したいと考えました。私たちは、これほど多岐にわたる王室車両のコレクションを集めたことはなく、エリザベス2世女王陛下を称えるのに記念パレードはふさわしいものであったと自負しております。」

JLRが王室との強いつながりを持つきっかけとなった初代「LAND ROVER SERIES」のDNAは、耐久性に優れた「DEFENDER」、洗練された「RANGE ROVER」、多用途な「DISCOVERY」に至るまで、今日のLAND ROVERブランドに色濃く受け継がれている。

「PROTOTYPE」(HAC 379)

▲「PROTOTYPE」(HAC 379)

 「PROTOTYPE」(HAC 379)は、1948年、わずか48台のみを製造した、量産前のプロトタイプの1台。シャシーナンバーはL31で、姉妹車両であるR32とともにテスト、開発、広報宣伝活動に使用された。R32はジョージ6世国王陛下と一緒に撮影された写真が残っている。現在は、個人のコレクターが所有している。

「SERIES I STATE REVIEW」

▲「SERIES I」LXC 894D(写真左)と「SERIES I STATE REVIEW」(写真右)

 「SERIES I」LXC 894D(写真左)は、元々はジョージ6世国王陛下によって注文されたが、エリザベス2世女王陛下やその他の王室メンバーによってバルモラルで使用されていた。2010年にLAND ROVERの実習生によってレストアされ、現在はLAND ROVER CLASSICコレクションに収蔵している。

 初代「SERIES I STATE REVIEW」(写真右)は、専用設計のリアプラットフォームが特徴で、エリザベス2世女王陛下とエディンバラ公爵フィリップ殿下による6か月のイギリス連邦旅行で使用された。この車両は、ゲイドンにある大英自動車博物館に王室コレクションとして収蔵されている。

「SERIES II STATE REVIEW」

▲「SERIES II STATE REVIEW」

 「SERIES II STATE REVIEW」は、2台目の公式式典用LAND ROVER車両で、青いサイドライト・レンズが特徴だ。このライトは、王室メンバーが乗車し移動される際には、必ず点灯していた。パレードに参加した車両は予備車両であったため、走行距離は約13,000マイル(約20,929km)と少なく、ゲイドンにある大英自動車博物館に王室コレクションとして収蔵されている。

「SERIES IIA STATION WAGON」(OGU 362D)

▲「SERIES IIA STATION WAGON」(OGU 362D)

 「SERIES IIA STATION WAGON」(OGU 362D)は、エリザベス2世女王陛下が自ら運転されていた、初めて6気筒エンジンを搭載したステーションワゴンだ。また、英国王室御用達の車両にふさわしい、本革シート、木製ドッグガード、サイドステップなどの特別な装備も多数備えている。現在は、ゲイドンにある大英自動車博物館に王室コレクションとして収蔵されている。

「1974 RANGE ROVER STATE REVIEW」

▲「1974 RANGE ROVER STATE REVIEW」

 「1974 RANGE ROVER STATE REVIEW」は、王室の公式行事に初めて採用された「RANGE ROVER」で、1975年から2002年まで使用された。特別に改造された後部には、折り畳み式のシートと、傘を内蔵した聖書台が装備されている。王室メンバーの移動に使用されることを考慮し、V8エンジンのエキゾーストにはサイレンサーを追加し、排気音を最小限に抑えられていた。現在は、ゲイドンにある大英自動車博物館の王室コレクションに収蔵されている。

「DEFENDER 110 V8」(写真左)と「DEFENDER 130 ‘JUMBO’」(写真右)

▲「DEFENDER 110 V8」(写真左)と「DEFENDER 130 ‘JUMBO’」(写真右)

 「DEFENDER 110 V8」(写真左)は、エリザベス2世女王陛下が、サンドリンガム・ハウスで使用されていた個人用車両だ。プライベート・ロイヤル・コレクションであり、国王陛下のご意向により、現在でも王室車両として使用されている。

 両側に3つのドアを備えたロングホイールベースの「DEFENDER 130」(写真右)は、「JUMBO」という愛称で呼ばれ、王室メンバーがサンドリンガム・ハウスから外出されるときに使用するために改造された。この車両は、現在も現役で使用されている。今回、チャールズ3世国王陛下の承認を得て、グッドウッド・リバイバル・パレードに登場した。

「1990 RANGE ROVER STATE REVIEW」

▲「1990 RANGE ROVER STATE REVIEW」

 3台目の「RANGE ROVER STATE REVIEW」は、エリザベス2世女王陛下が1994年のクリスマスカードに選んだ画像に登場している。この写真には、女王陛下とエディンバラ公爵フィリップ殿下がノルマンディ上陸作戦50周年記念式典に出席している様子が確認できる。この車両は、大英自動車博物館に収蔵されている。

「2009 RANGE ROVER」CK58 NPJ(写真手前)と、「2015 RANGE ROVER STATE REVIEW」(写真奥)

▲「2009 RANGE ROVER」CK58 NPJ(写真手前)と、「2015 RANGE ROVER STATE REVIEW」(写真奥)

 「2009 RANGE ROVER」CK58 NPJ(写真手前)は、王室車両のなかでもエリザベス2世女王陛下のお気に入りのモデルで、この「RANGE ROVER」のステアリングを握られている女王陛下の写真が数多く残されている。ボンネットを飾っていた有名なラブラドールのマスコットは、保管のために取り外されている。

 現在の「RANGE ROVER STATE REVIEW」(写真奥)は、2015年に登場したもので、ロングホイールベースにディーゼルエンジンを搭載したハイブリッド仕様だ。公式行事で使用される際には、電気のみで走行することが可能になっている。JLRのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)がデザインおよびエンジニアリングを担った。

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