ソニーとホンダがタッグを組み、「新たなモビリティの価値基準の創出」を目指して開発した「アフィーラ」のプロトタイプが日本初上陸。ジャパンモビリティショー2023において一般公開を実施すると発表
ソニー・ホンダ モビリティ(SHM)は2023年10月17日、新型EVモデル「アフィーラ(AFEELA)」のプロトタイプを特別イベントの「Meet AFEELA」にて日本初公開。合わせて、ジャパンモビリティショー2023において一般公開すると発表した。
SHMは高付加価値型の電気自動車の開発および販売と、モビリティ向けサービスの提供を目的に2022年6月に設立したソニーとホンダの合弁会社で、「多様な知で革新を追求し、人を動かす。」という企業パーパスのもと、最先端の技術と感性を掛け合わせて“Mobility Tech Company”としてモビリティの革新を追求している。
公開された新型EVのアフィーラ プロトタイプは、「新たなモビリティの価値基準の創出」を目指して企画。ユーザーに届けたい価値として、Autonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体、時空間の拡張)、Affinity(人との協調、社会との共生)を掲げ、その頭文字をとり「3A」と定義し、クルマを構成する主な要素が動力性能やパフォーマンスからソフトウェア、ネットワーク、ユーザーエクスペリエンスに変わっていく転換点において、既存の常識に捉われずにクルマの個性や在り方を見つめ直して開発したという。
クルマのキャラクターとしては、車両自体を“知性を持ったモビリティ”として育てていき、ユーザーにとって唯一無二の存在、そして愛着を持てる存在になれるよう、従来のクルマの価値に加えて、新しいモビリティの可能性を追求したことがトピック。その方策として、前述の定義の1つであるAffinityのもと、多様な知との共創とそれを可能とする場づくりを創出し、モビリティ開発環境のオープン化(仮称:AFEELA共創プログラム)として、自社の知見だけに閉じることなく、社外のクリエイターやデベロッパーが自由にアフィーラの上で動作するアプリケーションやサービスを開発できる環境を提供して、クリエイティビティを表現・共創できる場をデジタル上で作り出していくという。作成および開発アイテムとしては、メディアバー(コンテンツ)、パノラミックスクリーン(テーマ)、eモーターサウンド、マップ上の付加情報、任意のアプリケーションなどを予定し、動作環境はAndroid OSで設定する計画。また、情報として車両データや走行データを開示し、合わせてクラウドAPIを用意してクラウド経由でサーバー間連携なども容易にする予定だ。
パワートレインに関しては、前後にモーターを搭載するAWDで構成。最新の先進運転支援システム(ADAS)やインフォテインメントシステムを採用したことも訴求点で、車両の内外に計45個のカメラやセンサーなどを設置するとともに、最大800TOPS(Trillion Operations Per Second、1秒間に800兆回演算)の高い演算性能を持つECUを採用している。
なお、市販版のアフィーラは2025年前半から先行受注を開始し、同年中の発売を計画している。