モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件

1978年創刊の老舗クルマ雑誌『CAR and DRIVER』2024年8月号に突如として現れた「瀬(はやせ)イオナ」ってダレ?ナニモノ?

瀬イオナは、乗って書けるモータージャーナリストを目指して活動している、元・メディア編集部員のフリーランス・ライター。初代・パジェロミニを運転している女子を見つけたらきっとそれは私だ!カー・アンド・ドライバーの読者様とは初めましてなので、自己紹介をしながら、今回は『トムス・フォーミュラ・カレッジ』を体験した様子をお届けします。

根っからのMT派の両親に育てられた生粋のクルマ好き女子

 マニュアル車しか運転しない父と、“オートマは車じゃないわ”と言う母から生まれた私。だから小さな頃から隣でガコガコと運転する父親の姿を見てきました。普段の買い物をするだけなのに、あえて山越えをして隣の県まで行っていたのを助手席で楽しんでいたり。今、私が「距離ガバ」になったことや、山道が好きなのはそこが原点かも知れない……。夜の首都高を走ってくれたとき、ビルとビルの間を走る風景は絵本のようで子供ながらに感動したことを覚えています。学生時代には、漠然とクルマと関係する仕事がしたいと思うようになりましたが、その時はなぜか趣味で思いとどまっていました。

 社会人になり、一眼レフを片手にレンタカーでドライブをするのが趣味だったとき、たまたまYouTubeでバトルをする動画を発見。昔ってスケール違うよな~と見るようになり、ある日「なんだこのハンドル捌きは!」と運転の上手さに惹かれたのが、中谷明彦さんでした。そして見つけただけでは終わらず、その時の私は、ググりまくってSNSを見つけ、「教えてください!」と直談判。それがクルマ業界にどっぷり浸かる、全ての始まりだったのです。

 中谷明彦さんに弟子入りしてから間も無くレーシングカートを始め、メディアの仕事をしながらKYOJO CUPを目指すようになり、そのオーディション取材でレーシングマシン「VITA-01」を運転させていただくといった経験もさせてもらえました。

 現在は、フリーランスとして活動しています。国内A級ライセンス、カートライセンス、富士スピードウェイのFISCOライセンスを取得し、記事を書かせていただきながら、少しずつKYOJO CUPなどレースに参戦する夢に向けて、日々経験を重ねているところです。

祝・フリーランス初仕事!トムスの本物フォーミュラカー"FIA-F4"の体験記

 モータースポーツ国内トップチームを牽引するトムスが、2021年から始めたドライビングプログラム「トムス・フォーミュラ・カレッジ(以下、TFC)」をこのたびフリーランスの初仕事として体験させていただくことになりました。レース出場を夢見る私の「フォーミュラカーに乗る!」という目標への第一歩がついに叶う絶好の機会です。

 TFCは、年代を問わず、今まで見ているだけだったフォーミュラカーに一度は乗ってみたいーーという夢を国内のトップチームが全面的にサポートしてくれるプログラムで、手軽に本格的マシンを体験してもらいたいという思いで行なっているんだそう。確かに、公式サイトのトップページには私服の女性モデルがマシンと共に写った写真が載っています。試乗できるフォーミュラカーは、童夢F110のシャシーに、トムスが手がけたTZR42エンジンを搭載し、2015~2023年のFIA-F4で実際に使用されていた超本格的なマシンを操ることができます。

 今回私が体験させていただくことになったTFCのコースは、未経験でも試乗できる「エクスペリエンスコース」。格好はレーサーのような重装備はせず、長袖長ズボン、スニーカーと手軽に参加することが可能です。驚いたのは、ヘルメットとグローブはレンタルもできるということ。画面越しで見ることしかできなかったフォーミュラマシンに、間近で見ることができ、乗る前から大興奮している私は、記念にと思いフル装備で挑むことにしました。

 

いよいよ初めてのフォーミュラカー体験!

 このエクスペリエンスコースは、約30分間体験できるプログラム。乗車前の説明では、車の扱い方やコースレイアウト、旗について丁寧に教えてくれます。この日の講師は、レーシングカート出身で各種フォーミュラや、スーパー耐久、そしてSUPER GTなどでも活躍する古谷悠河選手。試乗は特設パイロンコースを20周ほど楽しめる時間が設けられています。試乗中に、インカム(無線)を通して丁寧にわかりやすく教えてくれるので、初めてのフォーミュラマシンでも安心して運転することができるのがうれしいですね。

 いざ、マシンに乗り込んでみると、外からみたらとても大きく見えたのに、車幅もわかりやすく視界も意外とよかったので、大きくて運転するのが難しそう......という思いがなくなったことに驚きました。シートは前後に動きましたが、高さなどはバスマットを使用してメカニックに微調整をしていただきます。シートベルトをガッチリと締めてもらい、いざ出発!

基本はパドルでのシフト操作ですが、3ペダルのため発進はハンクラができないと進めません。ペダルは重く、繋がる場所も奥の方と範囲が狭いので、市販車と感覚が全く異なりました。

最初の2周は先導車のもとコースを確認しながら走ります。そしてなんと今回の先導車はトムス仕様のトヨタ・スープラ!トムス好きにはたまらない計らいで気分も上がること間違いなし。先導車がピットに戻ったら単独での体験走行がスタート。ストレート区間で3速にいれ、コーナーやクランクでは2速といったパドル操作を楽しめるコース作りがなされているので、マシンを操っているぞ!という楽しい気持ちが沸々と込み上げます。

1周のタイムは、プロレーサーである講師陣で約2526秒とのこと。私は35秒台から始まり、インカムで教えていただきながら走行の終わる頃には29.9秒まで成長!20周ほどの短時間の試乗で成長でき、講師の的確なアドバイスに感動しました。

走行後は、講師のサイン付きの修了証をプレゼント。ゴールド、シルバー、ブロンズの3段階評価が用意されていて、私はなんと「シルバー」をいただくことができました! これは思い出に残ること間違いなし! 

トムスによる充実した手厚いサポートがあるおかげで、安心して体験できることが大きな魅力。体験をしてみて、私のようなF4マシンに乗ったことのない方でも、体験しやすい環境が整っていると感じました。また、レース観戦が好きな方は、一度体験してみるとまた角度が変わった見方ができ、さらに楽しめそうですね! エクスペリエンスコース以外にも、中級者向けのアドバンスコースなどが用意されており、本誌でご紹介しているので、気になった方は本誌『CAR and DRIVER』(2024年8月号)やトムス公式サイト( https://tfc.tomsracing.co.jp/ )をチェックしてみてください!

ますますレースにハマりそう・・・もっと勉強するぞ!

今回の取材を通して、フォーミュラカーであるFIA-F4マシンをレーシングカートのように操る面白さや奥深さに触れることができ、案の定「沼」というものにハマってしまいました。試乗体験を通して、フォーミュラマシンの知識やドライビングテクニックなどまだまだだと痛感したので、私の2024年下半期はフォーミュラマシンの勉強シーズンとなることでしょう。

私、瀬イオナの今後については、KYOJO CUPやフォーミュラカーでのレースなどに参加し、ドライビング知識を増やし車の理解を深めること。そして、モータージャーナリストとして試乗会に呼んでいただき、万人にわかりやすくお茶の間に届けることができるようになるのが目標です。

Z世代の“クルマ観”を皆さんに面白くお伝えできるよう、日々努力していきたいと思います。また、ありがたいことに今後レースに参加するお話もいただき、「乗って書く」を実践する機会が増えそうです。これから瀬イオナを見かけることが多くなるように頑張りますので、みなさま温かく見守ってくださると嬉しいです!

筆者・瀬イオナ プロフィール

はやせいおな。自動車メディア編集部を経て、2024年からフリーランスで自動車ライターとして活動中。乗って書けるモータージャーナリストを目指し、ドライビングスキル向上に向け中谷明彦氏に師事のもと、現在KYOJO CUPなどの本格的なレース参戦を目標のひとつとしている。趣味は愛車の初代パジェロミニでの長距離ドライブ。

雑誌『CAR and DRIVER』連動記事

2024年8月号にて筆者・瀬イオナによるレポート掲載

トムス・フォーミュラ・カレッジについての詳細は本誌P.44-47をご覧ください

CAR and DRIVER (2024年8月号)のご紹介

  • 【巻頭企画】魅惑なるモータースポーツ/世界戦を観る、国内レースを応援する、自分で走る。そのどれもが面白い。
  • 【新車試乗記】新型ホンダ・フリード/比較車:トヨタ・シエンタ+新型MINIクーパーSE/カントリーマン+新型BMW・X2
  • 【名車復刻版カタログ】1971年日産スカイライン2000GT(KPGC10/KGC10/GC10型)/1975年マツダ・サバンナAP(SI24型)
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