2024年9月27日
著者:涌井清春/構成:金子浩久
ロールス・ロイスとベントレーを専門に扱うワクイミュージアムの開設者で、同車を中心にレジェンダリーなクルマを販売する涌井清春さんの半生をまとめられた1冊。
ワクイミュージアムのホームページに掲載されている『涌井清春ヒストリー「私の半生」』を大幅に加筆修正している。
涌井さんがロールス・ロイスに魅せられた理由、長年にわたって使われてきたロールス・ロイスが持つ魅力、クラシックカーを「機械遺産」「産業遺産」と表現する真意などが丁寧に記述されている。
「日本にはクラシックカー文化がない」と思われていた時代にビジネスを開始し、当時の概念を覆すに至った経緯は、当事者だからこその高い熱量で語られる。
コレクター、愛好家、ミュージアム開設者、ビジネスパーソンと多面的な顔を持つ涌井さんの根底に流れるものは何か。時間をかけた取材を通じて、金子さんが明らかにしていく。
集英社新書。定価1144円(税込み)。244ページ。