開幕戦はシトロエンのオジェ選手優勝、トヨタのタナック選手は3位
2019年世界ラリー選手権(WRC)の初戦ラリー・モンテカルロ(総走行距離1365・43km、SS16カ所、323・83km)は1月24~27日にモナコ公国で行われ、S・オジェ選手(シトロエン)が優勝した。今年で創業100周年のシトロエンは、この勝利がWRC通算100勝目になった。2位はT・ヌービル選手(ヒュンダイ)で、トヨタ勢はO・タナック選手が3位、J・M・ラトバラ選手が5位、C・ミーク選手が6位だった。
トヨタは幸先がいいスタートを切った。24日のSS1~2でタナック選手が総合首位に立ち、2位のオジェ選手に9秒1の差をつけた。翌25日は6カ所のSSが設定されていたが、最初のSS3のフィニッシュ付近に観客が群がり、「安全が確保できない」とキャンセルされた。 これがトヨタにはマイナスになった。タイヤセットの組み合わせの予定が狂い、ドライバーが苦闘。SS5を終わって、ヌービル選手がオジェ選手に3秒4の差をつけてトップに立つ。SS6ではヌービル選手がY字路でコースをミス。戻るまでに20秒ほどのロスをしたが、総合では依然1秒4のリードで首位を確保していた。
続くSS7はオジェ選手が逆襲。ヌービル選手に24秒4の大差をつけてトップに浮上した。しかし、次のSSはヌービル選手が頑張り、オジェ選手との差を2秒まで詰める激戦になった。3番手のA・ミケルセン選手(ヒュンダイ)はオジェ選手との差が1分17秒7もあり、優勝争いはオジェとヌービルの両選手に絞られた感じがあった。トヨタのタナック選手はSS7でパンクし、ステージ中にタイヤ交換するなどで大きく遅れた。ミーク選手も6位を走行中にリムが破損。こちらも順位を落としている。
トヨタで頑張っていたのはラトバラ選手で、6位につけて表彰台を狙っていた。そしてラトバラ選手のすぐ後には、スポット参戦のS・ローブ選手(ヒュンダイ)がいた。
3日目は最初のステージが今回最長のSSで、29・82kmある。フランス領のギャップ周囲を走るが、天候が悪く、路面は凍結したり、積雪が残る難所。オジェ選手はヌービル選手の追撃を振りきって4秒3上回り首位を確保。最終日もオジェ選手は落ち着いた走りで開幕戦に勝利した。
パンクから立ち直り、次第に順位を上げて3位に入ったタナック選手は「表彰台に立てるとは思っていなかった。チームのクルー、マシンの仕上がりには、心から感謝している」と話した。
パワーステージで勝利したトヨタのミーク選手は「勝てたSSはパワーステージだけだったが、全力を尽くした。5ポイント得られて幸せだ。今回はクルマに問題が出たが、それさえなければ、4位は可能だった。この1戦でチームやマシンのすべてがわかったように思う」と語っている。
▲トヨタ・ヤリスで参戦するO・タナック選手は開幕戦を3位でフィニッシュ