メキシコシティーで開催されたジャガーIペイスeトロフィー第3戦。トップの座を争うSimon Evans選手(Team Asia New Zealand)とSérgio Jimenez選手(ZEG iCarros Jaguar Brazil)が接戦を繰り広げ、アタックモードを駆使したSérgio Jimenez選手が1位でチェッカーを受けた。
初参戦の日本人ドライバー、青木拓磨選手(チーム横浜チャレンジ)は、国際的な電気自動車のレースにおける初めての車いすレーサーとして、初の表彰台獲得を達成した(総合5位/クラス3位)。
▲今シーズンから導入されたアタックモード 各レースの特定の時間帯にトルクとパワーが20%追加で提供される オーバーテイクのチャンスが増えた
ジャガーIペイスeトロフィーは、FIAフォーミュラE選手権の公式サポートレース。世界初となる市販車ベースのフルバッテリー電気自動車(BEV)によるワンメイクレースシリーズだ。Iペイスeトロフィー専用のレースカーのみを使用するこのレース。未来のドライバーや定評のあるレーシングドライバーに、ゼロエミッションのモータースポーツの世界的な舞台で才能を披露する機会を提供する。最大20台ジャガーIペイスがグリッドに並ぶ。
▲昨シーズンから始まったジャガーIペイスeトロフィー 2シーズン目の今季は8つの世界都市で10レースが開催される
青木拓磨選手は、MotoGPの500ccクラスにホンダから参戦し総合5位を獲得した翌年の1998年、事故によって下半身不随に。それ以降も青木選手はモータースポーツに携わり続け、2009年のダカールラリーと2016年のアジアクロスカントリーラリーに専用車両で参戦。今回、ジャガー・ランドローバーのスペシャルビークルオペレーションズ(SVO)と、イタリアに本拠地を置くグイドシンプレックス社およびMスポーツ社が完成させた、足を使わずに操縦可能な特別仕様車で挑戦した。
▲青木拓磨選手が国際的な電気自動車のレースにおける初めての車いすレーサーとして歴史に名を刻んだ
青木拓磨選手は、次のように語っている。
「今回のこの素晴らしいリザルトは、⼀番うしろのグリッドからスタートしただけに本当に嬉しいです。今回、私は初めてこのレースに臨むこととなり、EVのレースもまた初めて、このサーキットも同様です。しかし、チーム横浜チャレンジのスタッフ全てが私を助けて、早くこれらに馴染めるようにしてくれました。さもなければ、このような結果を得ることはできなかったでしょう。また、クルマを単に私が運転できるようにしてくれただけでなく、トップポジションを狙えるようなクルマに仕上げてくれたジャガー・ランドローバーのスペシャルビークルオペレーションズ(SVO)、グイドシンプレックスそしてMスポーツに、私は大変に感謝をしています。」
次回の第4戦は、4月3日(現地時間)に、イタリアのローマで開催される。