F1関連の話題を紹介する予定だったが、佐藤琢磨選手の2023年シーズンの動向に関するニュースが入ってきたので、急遽こちらの情報を紹介させていただくことにした。
所属チームの発表が遅れていた佐藤琢磨選手が、2023年はチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)にからインディカー・シリーズに参戦することになった。
ホンダの発表によれば、「インディ500を含むオーバルコースで開催される複数のレースに参戦」する予定だという。
2023年のインディカー・シリーズは全17戦で、5戦がオーバルの戦い。4月2日に決勝を迎える第2戦のテキサス・モータースピードウェイが、1.5マイルのオーバルコース、5月20日の第6戦がインディ500(インディアナポリス・モータースピードウェイ、2マイル)である。
第11〜12戦は7月22〜23日にアイオワ・スピードウェイで開催。ここは0.875(約1.4km)のショートオーバル(ラップタイムは18秒程度)。そして8月27日の第15戦が1.25マイルのワールドワイドテクノロジー・レースウェイ(イリノイ州)となっている。
佐藤選手は「2023年にチップ・ガナッシ・レーシングに加入できることに、言葉では表せないほどの期待と感激を抱いています。このチームはもう何十年にもわたってシリーズのトップに位置しているチームであり、言うまでもないことですが競争力の高さは圧倒的です。オーバルレースに集中するのは僕にとって新たな経験ですが、これまでチャンピオンシップやインディ500を何度も制したチームメンバーやチームメイトと参戦することが大きなアドバンテージとなることは間違いなく、その可能性に胸をワクワクさせています。チャレンジが始まるのを待ちきれない気分です」とコメントしている。
CGRは「佐藤選手はホンダ・エンジンを搭載する11号車でオーバルレースに出場する。ロードコースとストリートコースの大会は、マーカス・アームストロング選手が出場する」と発表している。
佐藤選手は2002年にジョーダン・ホンダからF1に出場。2010年からインディカー・シリーズに参戦を開始し、2017年と2020年のインディ500に優勝している。2020年は予選で3位に入っており、日本人ドライバーとして初のフロントロースターターになった。佐藤2019年のインディ500は3位だった。佐藤選手はインディ通算6勝を挙げているが、うち2勝がインディ500である。
14年目のシーズンを迎える佐藤選手は、すでに215戦のインディ出場経験があり、これは現役ドライバーの中では6番目に多い。経験が重要な意味を持つといわれるインディ500だけに、佐藤選手の3勝目にかかる期待は大きい。
2023年のCGRのフルタイムドライバーは、スコット・ディクソン選手(インディ王者6回獲得、通算53勝、インディ500は1勝)、マーカス・エリクソン選手(2022年のインディ500で優勝)、アレックス・パロウ選手(2021年の王者、通算4勝)といいう顔ぶれ。ここに佐藤選手とアームストロング選手が加わる。
CGRは1990年にインディカー・シリーズに参戦。ジミー・バッサー選手が1996年にチャンピオンを獲得すると、97~98年はアレックス・ザナルディ選手が、99年はファン・パブロ・モントーヤ選手と4年連続でタイトルを獲得。ディクソンの6回のチャンピオンは、すべてCGRで得ている。