トヨタが連覇、ル・マン24時間の熱闘ドラマ

順調に周回を重ねたトヨタ7号車はパンクで無念の2位に

表彰台使う.jpg▲優勝したトヨタ8号車の3選手 左からF・アロンソ選手/S・ブエミ選手/中嶋一貴選

 世界耐久選手権(WEC)2018〜19スーパーシーズン最終戦ル・マン24時間の決勝レースは6月15日〜16日にル・マン24時間サーキット(1周13・626㎞)で行われ、中嶋一貴/F・アロンソ/S・ブエミ選手組のトヨタ8号車が優勝した。トヨタと8号車は18年に初優勝を遂げており、連覇を達成した。この結果、8号車のドライバーがドライバーズチャンピオンになった。中嶋選手と、このレースを最後にチームを去るアロンソ選手にとっては初。ブエミ選手は14年以来のタイトル獲得だ。

 トヨタは前戦スパ・フランコルシャン6時間でマニュファクチャラーズタイトル(14年以来2回目)を獲得している。

 トヨタは予選タイムの記録更新と、レースでの最多周回数の記録更新を目標に、87回目を数える19年のル・マン24時間に臨んでいた。これまでの予選最速タイムは17年にトヨタ7号車の小林可夢偉選手が記録した3分14秒791だった。今回もポールポジションを獲得したのはトヨタ7号車で、タイムは3分15秒497だった。

「記録更新を狙っていたので残念」と小林選手は悔しがった。2番手はトヨタ8号車(3分15秒908)、3番手はSMPレーシング17号車(3分16秒159)だった。

 これまでの最多周回数は10年にアウディが記録した397周。トヨタは400周をターゲットに掲げていた。スタート後4時間までは記録を更新するペースで周回を重ねていたが、その後、アクシデントの事後処理などでセーフティカー導入が多発したため伸び悩み、最終的には385周にとどまった。

 8号車が最終的に優勝したものの、レース終盤は7号車が8号車に対して約2分のリードを保ち、最後の1時間を迎えようとしていた。ところが、順調に周回を重ねていた7号車にトラブル発生。車載センサーの情報から右フロントタイヤがスローパンクチャーを起こしていると判断したチームは7号車をピットに呼び戻し、1輪だけ交換してコースに戻した。その直後、実際にスローパンクチャーを起こしていたのは左前輪だと判明。再度7号車をピットに戻し、4輪を交換してコースに送り出した。

 このピットストップで7号車はトップの座を8号車に明け渡した。勝利をつかみそこねた7号車(小林可夢偉/M・コンウェイ/J―M・ロペス選手組)のドライバーはもちろん、優勝した8号車のドライバーも複雑な面持ちだった。

 アマチュアドライバー主体の構成で臨むGTカテゴリー(LMGTE・Am)には、日本人ドライバーが複数スポット参戦した。木村武史、ケイ・フランチェスコ・コッツォリーノ両選手がドライブしたフェラーリ488GTE(カー・ガイ・レーシング)はクラス6位、石川資章選手のフェラーリ488GTE(MRレーシング)はクラス11位、星野敏選手がドライブしたポルシェ911RSRはリタイアに終わった。

チェッカー.jpg▲マシンのすぐわきでチェッカーを振り祝福 ル・マン伝統のシーン

カーガレーシング.jpg▲日本のカーガイレーシング クラス6位でフィニッシュ

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