3月28日、日産自動車は「フォーミュラEに2030年まで参戦する」方針を発表した。現在、フォーミュラEに参戦している12チームの中で、2030年までの長期参戦を表明した最初のメーカー/チームになった。
チームのジェネラルマネージャー兼マージングダイレクターのトマソ・ヴォルべは東京都内で記者会見を行い、フォーミュラEのシーズン13からシーズン16までの公式登録書にサイン。2026ー2027年のシーズン13から16にかけては、参戦マシンが「Gen4」に移行する。現在のGen3よりも「バトル性能」を優先したマシンに仕上げる予定で、最高出力は約2倍の600W(約816ps)に引き上げられる見込みだ。Gen4に移行する段階で、マシンの走行距離も延長される可能性が高いと見られ、フォーミュラEはエキサイティングな戦いが増えそうだ。なお、Gen4マシンで戦う2026-2027年シーズンから、ブリヂストンがタイヤサプライヤーになる。
日産自動車はフォーミュラEを「電動化技術を開発する重要なプラットフォーム」と位置付けている。日産は長期経営計画、Nissan Ambition 2030の実現に向けて、2024年度から30年度に間に34車種の電動車両を市場に投入する方針を打ち出している。計画では2026年度の電動車比率は40%、30年度は60%に到達する見込みだ。
日産自動車の内田誠社長兼CEOは「フォーミュラEへの参戦は、ファンの皆様にサーキットでの興奮とワクワクをお届けするだけでなく、Nissan Ambition 2030で掲げた電動化の目標達成に大きく貢献する重要な活動のひとつ。レースで磨いた電動化の技術や知見は、将来のよりよいクルマ作りに大きな意味を持つ」とコメントし、フォーミュラE参戦活動を大いに評価している。
F1は2026年から「100%持続可能な燃料」を導入する予定で、30年にカーボンニュートラルを目指す計画を明らかにしている。FIAのトップフォーミュラが、ともに二酸化炭素排出ゼロで競う姿を見せることで、モータリゼーション全体のカーボンニュートラル化に貢献していくことは高く評価されるはずだ。