女性ドライバーNo.1決定戦として注目を集めるKYOJO CUPがいよいよ佳境を迎えた。10月6日の第5戦を終え、残すは12月21〜22日に開催される最終戦だけになった。
第5戦は30台がエントリーする盛況ぶりで、上位を走る選手は抜きつ抜かれつの激しい攻防を展開。激闘を制した下野璃央選手がトップでチェッカーを受け、坂上真海選手が2番手でフィニッシュ。
ところがレース後の車検で1〜2位のマシンに規則違反が判明し、3位でゴールした翁長実希選手が1位になった。レース展開の詳細は、KYOJO CUPのオフィシャルレポートをどうぞ。
KYOJO OFFICIAL REPORT
午前8時20分から行われた公式予選は、前日から降り続いた雨の影響でウエットコンディションの状態で行われ、セッション最終盤に2分11秒403を記録した下野が今季2度目のポールポジションを獲得した。
12時40分から12周で争われた決勝レースでは、2番グリッドの坂上が好スタートを決めてトップでTGRコーナーを通過するも、下野が2周目に抜き返してレースをリードしていった。坂上は離されることなくチャンスを伺い、7周目のTGRコーナーでトップに再浮上。そのままリードを広げにかかったが、8周目のダンロップコーナーでシフトミスから失速してしまい、その間に下野が再逆転を果たした。坂上が立て直している隙に、3番手を走っていた翁長も接近し、レース終盤は2番手争いが白熱した。
トップに立った下野は一気に後続との差を広げ、最終的に1.8秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。2番手争いは最終ラップのパナソニックオートモーティブコーナーまで続き、一瞬翁長が前に出たものの、ゴール直前で坂上が抜き返して2番手を死守。3番手に翁長が続いた。
しかし、レース後の車検で下野と坂上の車両に規定違反が見つかり、正式結果では失格に。これにより繰り上がりで翁長が今季2勝目となり、#225 富下李央菜(KTMS VITA)が2位、#44 平川真子(ROOKIE Racing RSS VITA)が3位となった。
第2戦から3連勝を飾りランキング首位を独走していた#17 斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)は、6番グリッドからスタート。決勝レース序盤は順調に順位を上げ、5周目には3番手を走る翁長に追い抜きにかかったが、そこからペースが思うように上がらずに後方集団に飲み込まれる展開となり、9番手まで後退。さらに11周目のGRスープラコーナーでスピンを喫し、最終的にポイント圏外の12位でレースを終えた。
注目のチャンピオン争いは斎藤が81ポイントでトップを維持したものの、翁長が77ポイントまで迫り、2人の直接対決で12月22日(日)の最終戦を迎える。
第5戦 優勝:#114 翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)
「ここまで課題となっていた加速力を改善するために、チームと試行錯誤してきましたが、それでも足りないという状況でした。今回はいろいろな選手とバトルをしましたが、直線では相手と比べて苦しいところがありました。でもブレーキングとコーナリングでは誰にも負けないくらいのポテンシャルがあったので、そこを活かして絶対に前に出さないように戦っていました。来年はKYOJOフォーミュラになるので、VITAを使ってのKYOJOCUPはもしかすると最後になるかもしれません。自分がしっかり結果を出すのもそうですが、応援してくれた皆さんに恩返しができるように、感謝の気持ちを持って走りたいです」