8月24日にワールドワイドテクノロジーレースウェイで行われたNTTインディカー・シリーズ第15戦ゲートウェイにて、Rahal Letterman Lanigan Racingの佐藤琢磨が今季二度目の優勝を飾った。
▲INDY第15戦で佐藤琢磨が今季2度目の優勝
先週の第14戦ポコノではスタート直後に、アンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシと絡む多重クラッシュを喫し、リタイアした佐藤琢磨。レース後多くの批判や声援が琢磨に集中した。
そんな中、迎えた第15戦。予選は5番手スタートと良いグリッドを獲得するものの、スタート直後には後方までポジションを落としてしまう。
全長1.25マイルのショートオーバルで248周に渡って争われた今回のレースは、タイヤの磨耗が激しく、チームによってピットタイミングが変わる戦略性の高いレースだ。3回のピットストップで走り切る作戦を採用したチームもあったが、4ストップでゴールを目指したチームも、どのタイミングでタイヤ交換と燃料補給を行うか、作戦は分かれていた。
琢磨のチームはライバル達と異なるピット戦略をとり、ピットタイミングをずらす作戦を決行。それが功を奏し、一時は周回遅れになる場面もありながらも、レース中盤過ぎから安定した速さを発揮したことでトップに躍り出た。
▲レース中アクシデントによるフルコースコーションが5回も発生した
最後はエド・カーペンター(シボレー)との激しいバトルを展開。2台がゴールラインに並んで飛び込むスリリングなフィニッシュとなり、0.0399秒差で佐藤がウイナーとなった。
今夜の勝利は、佐藤にとって2019年シーズン2回目の優勝となる。佐藤が1シーズンに複数優勝を記録するのは今年が初めてで、今回の優勝は彼にとってキャリア5勝目。それらの5回の優勝の中には、2017年のインディアナポリス500での勝利も含まれている。
▲琢磨は、4月にバーミンガムのロードコースで開催されたHondaグランプリオブアラバマ以来の勝利となる
また、今晩のレースですばらしい走りを見せ、多くのファンを獲得したのはルーキーのサンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing)だった。ライバル勢を圧倒するスピードで周回を続けたコネチカット州出身の21歳は、最多の97周をリードし、レース終盤にはポイントリーダーのジョセフ・ニューガーデンを2回パスし、トニー・カナーン、エド・カーペンターといった大ベテランたちと3位のポジションを争いをした。自己ベストタイの4位フィニッシュは、これで3回目。先週のポコノから2週連続の4位フィニッシュはルーキーとしてはめざましい成績と言える。
▲サンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing)
ランキング2番手でチャンピオンの座を争っているアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は、3ストップでのゴールを目指し、速いペースを保ってレースを戦っていたが、フルコースコーションの出たタイミングが味方せず、結果は13位でのゴールとなった。
ディフェンディングチャンピオンで自身6回目のタイトル獲得を目指しているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、手痛いリタイアを喫した。1周目のアクシデントで飛び散った他車の破片がラジエターを損傷させ、冷却水が漏れたため、ガレージにマシンを戻して修理を行いレースに復帰したもののその後リタイヤした。4戦続けて2位以上の結果を残して来たものの、今回は20位という結果になった。
次の第16戦は来週末にアメリカ西海岸、オレゴン州ポートランドのロードコースで開催される。昨年、佐藤が優勝したレースでもある。