いよいよモータースポーツシーズンが開幕する。いや、すでにWRC(世界ラリー選手権)は1月に第1戦ラリー・モンテカルロを終えており、トヨタがワンツーフィニッシュを決めている。すでに世界での戦いは始まっているのだ。
さて、今回は2025年モータースポーツの中でも、世界選手権の見どころを紹介していこう(国内シーンの見どころはこちらから)。
モータースポーツの頂点に君臨するF1(フォーミュラ1世界選手権)から。2025年のF1は3月16日(決勝)のオーストラリアGPから、12月7日のアブダビGPまで全24戦が組まれている。中でも注目は日本GPで、昨年同様、春に開催。鈴鹿サーキットで4月6日(日)14時に決勝がスタートすることが発表された。
F1での注目は、5年目のシーズンを迎える角田裕毅選手だ。昨年の第21戦サンパウロGPでは、予選3番手をゲット。決勝は7位に終わったものの、日本選手がついに表彰台の頂点に立つのではないかと期待させた。2025年はレッドブル昇格とはならなかったが(本誌締め切り時点では未確定)、今季の結果次第では、シーズン途中での昇格も可能性は残されているもようだ。
もう一人の注目ドライバーは平川亮選手だ。昨年はマクラーレンとハースでF1テストドライブを経験しているが、今年はアルピーヌのテスト兼リザーブドライバー就任が発表されている。そして日本GPではFP1(金曜日のフリー走行)を走ることも決定。つまり、日本GPのFP1では角田と平川という日本選手の戦いが見られる可能性もある。今年の鈴鹿は金曜から目が離せない。
チケットはすでに販売中で、金曜日券は4月3日(木)から4月4日(金)の2日間分のパーク入園料とパークパスポート(アトラクション乗り放題)が含まれ、大人1万円とかなりリーズナブルな価格である。3日間(金〜日)有効なグランドスタンド上段のV2席は10万~14万円~となっており、かなりお高め。なるべく手ごろに見たいというファンは、自由席だが西エリア券が3日間有効で1万6000円。こちらをお勧めする。
次にWRC。こちらはすでに開幕しており、11月末のラリー・サウジアラビアまで全14戦が組まれている。4年連続愛知・岐阜開催となるラリージャパンは、11月6日(木)~9日(日)に開催される。注目は日本の勝田貴元選手だ。
開幕戦は終盤でリタイヤを喫してしまったが、今シーズンにかける勝田選手の意気込みはハンパではない。昨年のラリージャパンで結果を残せなければ、今シーズンのシートはなかった可能性も高かったといい、背水の陣で戦いに挑んでいる。勝田は「今シーズンはこれまでの経験を活かし、速さを保ちながら、いっそう安定した走りをしたい」とコメントしており、ラリージャパンまでに一段と成長して日本に凱旋してほしい。
ラリージャパンの拠点は例年どおり豊田スタジアムに設置される。ここではマシンの調整や修理が行われるサービスパークが設置されるほか、スタジアム内の特設コースでは2台同時にスタートしてタイムを競うスーパースペシャルステージが観戦できる。各種イベントやグッズ販売、さらにグルメなども楽しめるので、ここは押さえておきたい。
世界選手権でもうひとつの注目はWEC(世界耐久選手権)だ。2025年は2月28日のカタール戦を皮切りに、11月8日のバーレン戦まで全8戦を予定している。シーズンのハイライトとなるル・マン24時間レースは第4戦として6月14~15日に開催される。また、シーズン後半の9月28日には第7戦富士6時間が富士スピードウェイで開催される。
6シーズン連続でのマニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタは、GR010 HYBRIDの2台体制で挑む。チーム代表兼ドライバーの小林可夢偉選手は「WECハイパーカーカテゴリーでの競争は、非常に強力なライバルとの戦いですが、チームの士気は一段と高まっています」とコメント。昨シーズンはドライバーズチャンピオンをポルシェに奪われただけに、今シーズンの奪還を誓った。
そして昨年、日本で初開催されて俄然注目が集まっているのがフォーミュラE世界選手権だ。実はフォーミュラEもWRC同様にシーズンはすでに開幕しており、本誌発売時点では4戦を消化している。フォーミュラEは電動モーターを搭載したEVマシンで争われ、「ヒューイーン」といった音が特徴的だ。
また、公道で開催されるため、世界のさまざまなロケーションの中でバトルが繰り広げられる。アディショナルラップという独特の規定がレースのエンターテインメント性を高めるユニークな競技だ。
昨年は3月だった日本大会は、今年は第8戦が5月17日(土)、第9戦が5月18日(日)と2日連続に拡大された。決勝レースの舞台は東京・お台場のビッグサイト周辺での公道に特設コースを設定しており、首都圏在住者なら比較的気軽に観戦できる。最先端のモータースポーツを楽しもう。