F4にマシンを変更する2025年シーズンのKYOJO開催スケジュール

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 2017年に関谷正徳氏のオーガナイズでスタートしたKYOJO CUPは、女性だけのモータースポーツカテゴリー。当初の参加ドライバーは15名程度だったが、8シーズン目となる今年は年間エントリーで28名を数える。昨年10月6日に開催された第5戦は31名の女性ドライバーで争われた。参加ドライバーが増え、盛り上がりを高まっているのは誰が見ても明らかだ。

 2025年のKYOJO CUPは5大会を開催し、各戦で2レースを競う。土曜日に20分間の予選を行い、このタイムで決まったスタート順で10周のKYOJOスプリントを土曜日に開催する。日曜日に12周で競うKYOJOファイナルのスタート順はKYOJOスプリントの順位が適用される。ポイントは予選1〜3位に3点〜1点が与えられ、KYOJOスプリントは1〜8位に10〜1点、KYOJOファイナルは1〜10位に20点〜1点が与えられる。

 シーズンを通じて最多ポイントを獲得した選手がチャンピオンに輝き、文部科学大臣賞が与えられる。KYOJO CUPの第2戦と第4戦は全日本スーパーフォーミュラのサポートレースとしてカレンダーに組み込まれている。

 この盛り上がりの背景には、KYOJO CUPがモータースポーツ業界はもちろん、一般の“クルマ好き女子”にも認知されてきていることが大きいと筆者は考えている。最近参戦を始めたドライバーに話を聞くと「元々はマイカーでサーキット走行をしていたがKYOJO CUPを知って」や「KYOJO CUPに憧れのドライバーがいて、このカテゴリーを目指すようになった」といったコメントが返ってくる。

斎藤愛未選手

 シリーズ開始当初は、カートから4輪競技へステップアップしてきた若手や、他のカテゴリーでモータースポーツ活動をしてきたドライバーがほとんどだったが、ここ数年で「KYOJO CUPが初の本格的なレース参戦」というドライバーが増えているのである。KYOJO CUPは、いまや女性ドライバーの憧れを集める場へと変化してきているのだ。

 KYOJO人気の理由はさまざまだが、クリーンで熱いバトルは、重要な要素である。とくにここ数年、トップ集団のバトルは、国内のプロドライバーを中心とするカテゴリーと同じくらい観客をエキサイトさせる。それほどレベルが高い。

平川真子選手

 これは関谷氏のレースオーガナイザーとしての存在が大きい。レースウィーク時に全ドライバーを集め、前回レースの映像を見ながら反省点を振り返るブリーフィングを始め、多くのドライバーに声をかけている姿をよく見る。よりハイレベルで魅力的なカテゴリーにしたいからこその行動の表れだ。

ケルシー・ピンコスキー選手

 よりハイレベルに……という面では今年からマシンがF4に変わる。これは「フォーミュラが他のカテゴリーでも役立つドライビングを最も習得できる」という関谷氏の経験値を踏まえた選択である。

下野璃央選手

 徹底的なイコールコンディションを実現するために、事務局がマシンの管理とメンテナンスを行う。今シーズンからKYOJO CUPは「誰が速いか?」がシンプルにわかりやすい戦いに発展する。

「日本一速い女」の称号を獲得するのは誰か。開幕戦は5月10〜11日である。

佐藤こころ選手

 なお、KYOJO CUPで使われていたVITA-01による女性のレースは富士チャンピオンレース・シリーズのFCR-VITAレースにKYOJOクラスが設けられた。3月の開幕戦はKYOJO CUPでも実績を残した富下李央菜選手がクラス優勝した

富下李央菜選手

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