ルノー・トゥインゴEDC 試乗記
ルノー・トゥインゴEDC 価格:6SMT 195万円 ボディカラーは全5色 写真のジョンマンゴーは新色 ボディサイドにドット柄のストライプが入る 駆動方式は稀少なRR
新型は7インチ・タッチスクリーン標準。外観はすっきりとした印象
駐車禁止区間ではないものの、そもそも空いた駐車スペースを探し出すのが難しい――そんな都市部でなにかと便利に感じるのが、全長4mを大きく下回るコンパクトモデルたち。スマートのフォーツー(全長2785mm)は、その最右翼。そのロングバージョンのフォーフォー(同3550mm)や、「兄弟車」のルノー・トゥインゴ(同3645mm)も、サイズのメリットが実感できる。
トゥインゴがマイナーチェンジした。外観のフェイスリフトや装備のアップデートが改良の中心だ。一見して「ちょっと表情がシンプルになった」と感じるのは、これまでフロントバンパー部に独立していたスモールランプがなくなったから。ラインアップは6速DCT仕様となるEDCのモノグレードになったが、「MTの設定を検討中」といった声も聞かれる。この先、バリエーション拡充の可能性はありそうだ。
試乗車のジョンマンゴーと名づけられたビビッドなイエローは新色。女性ユーザー比率が高いモデルだけに、新鮮なボディカラーで新しさをアピールする戦略は、大いにアリだ。897cc直列3気筒ターボエンジンの最高出力が従来比2ps増の92psになった以外、ハードウエアの変更はない。一方、室内はスマートフォンとのミラーリングが可能で、アップルカープレイやアンドロイドオートにも対応する7インチのタッチスクリーンを新装備。機能面はレーンデパーチャーワーニング、タイヤ空気圧警報の新設など、なかなか充実している。
全長×全幅×全高3645×1650×1545mm トヨタ・ヴィッツ(同3945×1695×1500mm)比で全長は300mm短い 最小回転半径は4.3m
フットワークは上質。見ても乗っても個性的な楽しいクルマ!
動力性能は従来と同様だ。決して強力とはいえないが、市街地から高速道路まで不足を感じる場面はない。なかなかの元気ぶりに、シフトパドルやタコメーターがほしくなった。6速DCTの威力で加速時のスムーズさは、2ペダル式MTを採用するライバルのVWアップ!よりはるかに上。優れた走りの性能が、日本でのトゥインゴ人気を支えている。インポーターは、「販売台数でアップ!を上回る月もあった」という。
改めて好印象を抱いたのは、ストローク感とフラット感に富んだ、コンパクトカーとは思えない上質なフットワーク。RRレイアウトの効果で前輪切れ角が大きく、「こんな道でもUターンできるの!?」というほど、驚きの小回り性(最小回転半径4.3m)は健在だ。
見ても乗っても個性的なモデルが、200万円を切る価格で購入できるとは魅力的。タイトな後席スペースに納得できれば、シートアレンジ次第でユーティリティ性は高い。乗ると楽しい気分になるコンパクトカーである。
室内はポップで明るい配色 新型は7インチ・タッチスクリーン新装備 電動パワーステアリングは軽い操舵感 乗り心地は快適
前席は座り心地に優れた大型形状 ダイヤル式リクライニング装備 後席シートバックは立った印象 乗車定員は4名
後席使用時の容量は174リッター 後席は分割可倒式 助手席を倒すと2315mmの長尺物が積める
※次ページでスペックを紹介
ルノー・トゥインゴEDCの主要諸元と主要装備
グレード=EDC
価格=6SMT 195万円
全長×全幅×全高=3645×1650×1545mm
ホイールベース=2490mm
車重=1020kg
エンジン=897cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=68kW(92ps)/5500rpm
最大トルク=135Nm(13.8kgm)/2500rpm
WLTCモード燃費=16.8km/リッター(燃料タンク容量35リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.2/17.6/19.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=フロント165/65R15/リア185/60R15+アルミ
駆動方式=RR
乗車定員=4名
最小回転半径=4.3m
●主な燃費改善対策:可変バルブタイミング/アイドリングストップ/充電制御/電動パワーステアリング/EDC
●主要装備:サイドウインドアシスト/車線逸脱警報/ESC/4エアバッグ/タイヤ空気圧警報/バックソナー/ヒルスタートアシスト/オートライト&雨滴感応式ワイパー/ハロゲンヘッドライト/前後フォグランプ/デイタイムランプ/ドットサイドストライプ/サイドプロテクションモール/15インチアルミ/ファブリックシート/運転席シートリフター/可倒式助手席/分割可倒式リアシート/本革巻きステアリング/エナジースマートマネジメント/7インチタッチスクリーン/EASY-LINK(スマートフォンミラーリング+ブルートゥースマルチペアリング機能)/12V電源ソケット/オートAC
●ボディカラー:ジョンマンゴー
※2019年8月デビュー ※価格はすべて消費税(10%)込み リサイクル費用は1万2760円
897cc直3DOHC12Vターボ 92ps/5500rpm 135Nm/2500rpm 従来比最高出力2㎰アップ エンジンはリアに横置き搭載
リアゲートはスタイリッシュな全面ブラック 新型は開口ノブ形状を変更して操作性が向上