日産自動車は10月1日、EVシティコミューターのコンセプトカー「ニッサンIMk」を公開した。なお、このモデルは東京モーターショー2019に出展する予定だ。
▲ニッサンIMk 2020年代の"ニッサン インテリジェント モビリティ"が目指す将来の姿を体現する新世代のEVシティコミューター。「ニッサン インテリジェント インテグレーション」と称する最新のコネクティビティ機能を搭載する
「ニッサンIMk」は、2020年代の"ニッサン インテリジェント モビリティ"が目指す将来の姿を体現する新世代のEVシティコミューターである。基本骨格には、新開発のEVプラットフォームを採用。パワートレインにも新開発のEVシステムを導入し、低重心のパッケージによってEVならではの力強く上質な走りと高い静粛性、そしてこれまで体験したことのない快適なドライビングを実現する。また、モーター駆動ならではのレスポンスのよいパワフルでスムーズな加速により、ストップ&ゴーや車線変更が多い街中ではもちろん、傾斜のある道を走るときなど、あらゆるシーンにおいてこれまでの軽自動車の常識を変える走りを具現化した。
▲基本骨格には、新開発のEVプラットフォームを採用。パワートレインにも新開発のEVシステムを搭載し、低重心のパッケージによってEVならではの力強く上質な走りと高い静粛性、そしてこれまで体験したことのない快適なドライビングを実現する
運転支援機能の進化も要注目だ。「ニッサンIMk」には、運転支援技術「プロパイロット2.0」をより発展させた次世代の運転支援技術を搭載。高速道路での運転支援から主要幹線道路にも利用範囲を拡大し、幅広いシーンでドライバーの運転をサポートする。また、スマートフォンを使ってクルマを自動的に駐車することができる「プロパイロット リモートパーキング」や、クルマから降りると無人の状態の「ニッサンIMk」が自ら空きスペースに駐車し、必要なときにドライバーがスマートフォンで呼ぶとドライバーの元まで迎えにくるドライバーレスバレーパーキング機能を組み込んだ。
最新のコネクティビティ機能を活用し、クルマ~ドライバー~社会がいつでもつながる「ニッサン インテリジェント インテグレーション」を採用したこともトピック。まず、スマートフォンと連携してドライバーを認証し、クルマに乗り込むたびにシートポジションや好みの香りなど、認証されたドライバー個人にパーソナライズされたセッティングに変更する機能を導入。また、ドライバーが乗り込む前にエアコンやステアリングヒーター、シートヒーターなどを作動させることで、乗車する人にとって快適な車内空間をあらかじめ作り出すことも可能とする。さらに、ドライバーのスケジュール管理ソフトとつなげれば、クルマが渋滞など最新の交通状況を考慮してスケジュールに間に合う出発時間をスマートフォンに通知し、時間を無駄にしないシームレスな移動を実現した。
コネクティビティ機能の拡充は、まだまだ続く。「ニッサンIMk」にはV2X(Vehicle to Everything)を搭載し、駐車中でもドライバーのスケジュールや次の目的地を事前に把握することで、ドライバーの次の移動までもシームレスにサポート。その後の移動に必要な電気を残しながら、V2H(Vehicle to Home)の機能を通して家庭やオフィス、地域社会のエネルギーマネジメントに貢献する。また、究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術「Invisible-to-Visible(I2V)」も設定し、休日にはアバターとなって車内に現われた友人との会話を楽しみながらドライブの時間が過ごせる先進機能を組み込んだ。
▲ボディサイズは全長3434×全幅1512(ドアミラー除く)×全高1644mm。微妙な修正によって軽自動車規格(全長3400×全幅1480×全高2000mm以下)に収まるサイズだ。車体色には日本古来より使われている金属で日本の文化に所縁のある「アカガネ」を採用する
エクステリアに関しては、静けさのなかに潜む強さ、無駄をそぎ落とした存在感を車両デザインで具現化。また、車体色には日本古来より使われている金属で日本の文化に所縁のある「アカガネ」を採用し、細部に至るまで日本のDNAを取り込んだ表現を施す。さらに、バンパーやホイール、タイヤ、テールランプ、ルーフには「水引」模様の流れの美しさにヒントを得たスリットパターンを取り入れ、フロントグリルやリアコンビランプには木組みを模したような格子パターンを導入した。ちなみに、日産はこうした日本の伝統的な表現とEVとの親和性は非常に高く、「ニッサンIMk」の緻密でダイナミックなデザインを可能にしているとアナウンスする。
▲インテリアはこれからの自動運転の時代に向け、運転のための空間から、快適な時間を過ごす"部屋"としての空間へ変化することを意識してデザインした
インテリアについては、これからの自動運転の時代に向け、運転のための空間から、快適な時間を過ごす"部屋"としての空間へ変化することを意識して開発した。直線やシンプルな曲面を使って構成された空間は、クリーンでモダンな部屋を表現し、そこに「アカガネ」のアクセントを加えて上質さと艶やかさ演出する。また、インストルメントパネルは一切のスイッチを廃し、ユーザーに必要な情報はアイコニックなプリズムディスプレイのなかで、情報が空中に浮かび上がるように映像化。インタラクティブにパーソナライズされた、ウイットに富んだ楽しいGUIがホログラムのように映し出される。さらに、日本家屋の縁側や障子などと同様、プリズムディスプレイの手前と向こう側を視覚的に連続させるデザインを採用し、奥行きや広さによってリラックスできる楽しい空間を創出した。加えて、コンパクトなEVパワートレインによって余裕が生まれたフットスペースには暗めのカラーを配色。ここにインテリア全体を包む淡いカラーリングとスマートなベンチシートを導入し、ラウンジのようなリラックスできるキャビンルームを実現している。