ポルシェAGは10月15日(現地時間)、フル電動EVのスポーツカー「タイカン(Taycan)」に、「ターボS」と「ターボ」に続く第3のモデル「4S」を追加設定した。
▲ポルシェ・タイカン4S 全長4963×全幅1966×全高1379㎜ ホイールベース2900mm 車重2140kg(パフォーマンスバッテリープラス搭載時2220kg) 標準パフォーマンスバッテリー搭載での最高出力は530psを発生。2デッキのパフォーマンスバッテリープラス搭載での最高出力は571psに引き上がる
シリーズのエントリーグレードに位置するタイカン4Sは、他グレードと同様、前後アクスルに1基ずつモーターを搭載する、ツインモーターの4輪駆動でパワートレインを構成する。そのうえで、フロア下に搭載する駆動用リチウムイオンバッテリーには最高出力530ps、最大トルク640N・mを発生する総容量79.2kWhの"パフォーマンスバッテリー"を採用し、一充電の航続距離は最大407km(WLTPモード)を実現した。また、ターボS/ターボにも設定し、最高出力571ps、最大トルク650N・mを発揮する総容量93.4kWhの"パフォーマンスバッテリープラス"もオプションで選択可能。このバッテリーを装着した場合、一充電の航続距離はタイカン・シリーズ最長の最大463km(WLTPモード)にまで伸びる。走行性能については、2仕様のバッテリーともに0→100km/h加速が4.0秒、最高速度が250km/hと公表。燃費ならぬ電費性能(WLTPモード)は、パフォーマンスバッテリーで25.7~21.1kWh/100km、パフォーマンスバッテリープラスで26.2~22.0kWh/100kmに達するという。
▲パワートレインは前後アクスルに1基ずつモーターを搭載する、ツインモーターの4輪駆動で構成。リアアクスルには2速のトランスミッションを設定する
4ドアスポーツサルーンに仕立てたエクステリアに関しては、ターボS/ターボと同じく、ポルシェのDNAを明確に引き継ぐとともに、新しい時代の始まりを告げる新進のEVスポーツデザインを採用する。まずフロント部は、曲線の強いフェンダーによって極めてワイドかつフラットな造形を創出。サイドビューは、後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインと彫りの深い前後フェンダーおよびドア部を組み合わせて存在感のあるルックスに仕上げる。そしてリアセクションは、いかにもポルシェらしいテーパーの付いたCピラーやボリューム感のあるショルダーライン、ライトバーに統合されるガラスルックのポルシェロゴなどによって、伝統と革新のデザインを巧みに融合させた。4S独自のアレンジとしては、フロント中央下部に開口部を配する新しいジオメトリーのフロントエプロンに、ブラック仕上げのサイドシルとリアディフューザー、19インチのタイカンSエアロホイール、レッドに塗装したブレーキキャリパーなどを組み込んで、ターボS/ターボとの差異化を図っている。
▲4Sにはパーシャルレザーのインテリア表地と8ウェイ電動調節機能を備えたフロントコンフォートシートを標準で装備する
インテリアも基本的にターボS/ターボと共通で、1963年に登場した初代911のダッシュボードデザインを発想の源に、デジタル時代にふさわしい造形に再構築する。独立型のメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイをセット。中央の10.9インチインフォテインメントディスプレイとオプションのパッセンジャーディスプレイの組み合わせは、ブラックパネルルックの一体化されたガラス画面を形成し、それによってインテリアと視覚的に融合する。また、4Sには革新的なリサイクル素材で構成したパーシャルレザーのインテリア表地と8ウェイ電動調節機能を備えたフロントコンフォートシートを標準で装備した。
▲一充電の航続距離(WLTPモード)はパフォーマンスバッテリー搭載で最大407km、パフォーマンスバッテリープラス搭載では最大463kmに達する
気になるタイカン4Sの車両価格は、ドイツ本国で10万5607ユーロ(約1274万円)~に設定する。日本での車両価格や発売日は現在のところ未発表だが、ポルシェ ジャパンの公式HPではイメージ画像などが掲載されていることから、それほど遠くない時期に正式発表となるだろう。