レクサスの電動車を示唆する未来的な内外装デザインがインパクト大!「46th東京モーターショー」

レクサスがTMS2019で電気自動車のコンセプトカー「LF-30 Electrified」を世界初公開

 トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは1023日、東京モーターショー2019において電気自動車のコンセプトカー「LF-30 Electrified(エレクトリファイド)」を初公開した。同時に、電動化ビジョン「Lexus Electrified」を公表。これは、電動化技術を用いて車両の基本性能を大幅に進化させ、自動運転や電動化などモビリティ社会が変化し続ける時代においても、ユーザーへクルマがもたらす楽しさ・喜びを提供し続けることを目指す思想である。また、このビジョンに基づき、2025年までには全車種に電動車を設定する予定。直近では、本年11月にレクサス初のEV発表を予定しているほか、2020年代前半でPHVEV専用モデルを投入する計画だ。

LF-30 Electrified1.jpg▲レクサスLF-30 Electrified(エレクトリファイド) 全長5090×全幅1995×全高1600mm ホイールベース3200mm 車重2400kg エクステリアではインホイールモーターを動力とするEVならではの新しいデザイン表現に挑み、独自のエネルギーフローを視覚的に表現した

 今回ワールドプレミアを飾ったLF-30 Electrifiedは、レクサスの今後の電動車を示唆するコンセプトカーに仕立てられている。まずエクステリアでは、インホイールモーターを動力とするEVならではの新しいデザイン表現に挑み、独自のエネルギーフローを視覚的に表現したことが訴求点。具体的には、ボディ4隅のタイヤから発生したエネルギーがキャビンに向かい、ドライバーへ流れていくようなイメージを持たせた。また、ボンネットのないフォルムを活かしてレクサスのデザインアイコンでもあるスピンドル形状をボディ全体のアーキテクチャとしてさらに進化。フロントからリアまでひと続きとなるウィンドウガラスと張り出したフェンダー、翼形状のヘッドライトでスピンドルを形成する。さらに、流麗なフロントから直線的でシャープなリア形状へと推移する個性的なフォルムを構築し、加えて翼形状のヘッドライトやリアライトおよびサイドエアインテークなどを組み込んで優れた空力性能や冷却性能を具現化した。

LF-30 Electrified2.jpg▲バッテリーの低床配置による慣性諸元の向上や4輪のインホイールモーターによる従来のクルマとは一線を画す高度かつ自由度の高い運動性能を実現。また、モーターの駆動力制御による車両運動制御技術"Lexus Advanced Posture Control"をはじめとする先進技術を数多く採用した。モーター最大出力/最大トルクは400kW700Nmで、バッテリー容量は110kWh。性能面では航続距離500kmWLTPモード)、最高速度200km/h0100km/h加速3.8秒と公表

 ドア形状は大きな開口部を有するガルウィングタイプを採用。また、サイドウィンドウの透過率を自由に変化させることで、景観を楽しめる広い視界と夜間などにおける高いプライバシーを実現する。一方、通常の走行モードと自動運転モードを車両の外から識別できるよう、フロントフェイスの色や発光パターンを差異化するなど、デザイン性に加えて機能性も追求。エクステリアカラー"Voltaic Sky"は、先進的な金属皮膜を用いて、青緑の色味を含んだ独自の質感を持たせた。

LF-30 Electrified3.jpg▲ドア形状は大きな開口部を有するガルウィングタイプを採用。また、サイドウィンドウの透過率を自由に変化させることで景観を楽しめる広い視界と夜間などにおける高いプライバシーを実現した

 インテリアに関しては、新コンセプト"Tazuna"コクピットを導入したことがトピック。手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性にヒントを得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の制御が可能な空間を実現する。同時に、将来を見据えたARによる車両情報表示やジェスチャーコントロールなど、次世代のインターフェースを鋭意採用。ドライバーのみならず、同乗者にとっても快適かつ利便性の高い室内空間を創出した。

LF-30 Electrified4.jpg▲新コンセプト"Tazuna"コクピットを導入。手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性にヒントを得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の制御が可能な室内空間を具現化した

 助手席については、航空機のファーストクラスから着想を得たレイアウトとし、開放感と包まれ感が共存した室内空間を演出。スイッチ類など、必要なものすべてを手の届く距離に配置したほか、助手席の大型ディスプレイにもジェスチャーコントロール機能を採用し、快適性と利便性を両立させた。一方、後席のシートには人口筋技術を応用し、座る人の体形に合わせてフィットするほか、リクライニングやリラクゼーション、アラートなど、多様な機能を装備。また、マークレビンソンによる次世代のサウンド空間を演出する。さらに、後席のグラスルーフにはディスプレイウィンドウ"スカイゲート"を搭載。音声認識やジェスチャーコントロールにより、ARによるリアルな星空やお気に入りの映像、ナビゲーションに至るまで様々な情報を表示可能とした。

 内装材の刷新も注目点。再生素材を利用することで環境負荷を低減し、次世代ラグジュアリーの方向性を示したほか、フロアやステアリングホイールなどに日本の伝統素材である焼杉を採用。また、リサイクル金属を繊維に加工し、プリーツ加工を施したドアトリムを導入するなど、レクサスの独自性と先進性を精力的に表現した。

LF-30 Electrified5.jpg▲助手席は航空機のファーストクラスから着想を得たレイアウトとし、開放感と包まれ感が共存した空間を演出。後席のシートには人口筋技術を応用し、座る人の体形に合わせてフィットするほか、リクライニングやリラクゼーション、アラートなど、多様な機能を内蔵した

 パフォーマンス面に関しては、モーターの駆動力制御による車両運動制御技術"Lexus Advanced Posture Control"をはじめとする先進技術を数多く採用するとともに、バッテリーの低床配置による慣性諸元の向上や4輪のインホイールモーターによる従来のクルマとは一線を画す高度かつ自由度の高い運動性能を実現したことが特徴だ。Lexus Advanced Posture Controlは、高トルクモーターの駆動力を自在に制御することで、人の感性に寄り添った車両の姿勢コントロールを具現化。また、前後の駆動輪を完全に独立して制御することで、FFFRAWDなど、走行シーンに応じた適切な駆動方式を提供する。さらに、駆動ユニットを小型・軽量化することで車両パッケージの自由度を拡大した。

 一方、操舵機構にステアバイワイヤを採用することで、ステアリングシャフトを通じた機械的な接続が不要となり、運転状況に応じて少ない舵角での旋回や、自由自在なステアリングフィールを実現。また、自動運転時にはステアリングを前方へ移動させることで、より開放感ある室内空間を創出する。肝心の充電については、ワイヤレス充電技術を採用して日々の充電を簡易化したほか、AIによるエネルギーマネジメントによって、自宅との電力の最適配分や日々のスケジュールに合わせた充電制御など、次世代EVとしての利便性を徹底追求した。

 機能面の進化も見逃せない。車両に搭載されたAIが音声認識や乗員の個人端末"コントロールキー"と連携することで、室温やオーディオといった室内環境のほか、ドライブルート・目的地の設定および現地でのアクティビティの提案、さらにはサスペンション/パワートレインの制御による好みに合わせた運動特性をリアルタイムに設定するなど、人とクルマの高度かつ緻密な相互コミュニケーションをとることを可能とした。また、ドローン技術を応用したサポートビークル"Lexus Airporter"を搭載し、自律制御で玄関からラゲッジルームまで荷物を自動運搬するなど、人々のライフスタイルに寄り添い、従来のクルマに期待される機能を超えたサポートを実現する。さらに、最新の自動運転技術コンセプトに基づき、ショーファーモード/ガーディアンモードを備えた最先端の運転支援機能を設定した。

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