BMW840iグランクーペ 試乗記
BMW840iグランクーペMスポーツ 価格:8SAT 1152万円 4ドア仕様のグランクーペはクーペ/カブリオレに続く8シリーズ第3のボディ ホイールベースをクーペ比201mm延長し後席のスペース性をリファイン
主戦場は自動車先進国と中国。8シリーズの本命4ドアクーペ登場
8シリーズの「本命」が登場した。グランクーペは、8シリーズの流麗なフォルムとダイナミックな性能を受け継ぐ実用的な 4ドア4シーター(短時間なら5名乗車も可能)である。
ライバルはメルセデス・ベンツCLSクラス、アウディA7、ポルシェ・パナメーラなど。グレードによってはメルセデスAMG4ドアGTも好敵手となる。4ドアクーペは、近年、人気上昇中のプレミアムカーの新カテゴリー。とくに米国や英国、ドイツ、日本などの「自動車先進国」と、中国市場で人気が高い。
グランクーペの基本メカニズムは8シリーズ・クーペとカブリオレに準じる。ただし、クーペ比で201mmホイールベースを延長して後席空間を拡大。全長×全幅×全高5085×1930×1400mmのボディサイズは、228mm長く、28mm広く、54mm高い(クーペ比)。実際、強い存在感を放つ大柄な4ドアクーペである。
エンジニアは、自信たっぷりに「大きくなったが、8シリーズらしいダイナミックパフォーマンスをしっかり継承している」と説明していた。
全長×全幅×全高5085×1930×1400mm ボディサイズはライバルのメルセデス・ベンツCLS(同5000×1895×1425mm)比でひとまわり大柄な設定
試乗車は3リッッター直6ターボを積む840i。駆動方式はFR
試乗車はベーシックな840i。340ps/500Nm仕様の3リッター直6ターボエンジンをフロントミッドに積むFRモデルだ。840dとM850iの駆動方式は、xドライブ(4WD)。840iはグランクーペで唯一のFR仕様である。
エンジニアの言葉どおりだった。840iは素晴らしいハンドリング性能を持つGTカーに仕上がっていた。ステアリングフィールは、xドライブと比べて、いっそうすっきりとした手応え。しかもB58型ストレート6は、高回転域まで心地よいフィールを保ち、全域で力強いパワーを発揮。エンジンは低速域から十分なトルクを生み、きめ細かにプログラミングされた8速スポーツATとの連携は上々だ。高剛性カーボンコアボディの効果もあって、絶妙な走りの一体感が味わえた。
乗り心地は最上レベル。スポーティ指向のM850iと比べて、随分と肩の力が抜けており、リラックスしたドライブが楽しめた。
当初、840iの日本発売予定はなかったという。しかし、その素晴らしく高い完成度が後押ししたのだろう。日本での販売が決定した。
インパネは上質性と機能性を追求 各部レザーフィニッシュ アルミ加飾パネル仕上げ センター部に10.25インチワイドディスプレイ装備 ハンドリングはBMWらしくシャープでリニアな設定
シートは本革 前席はスポーツ形状 後席足元スペースはクーペ比で大幅拡大 基本は4シーター仕様 後席は左右分割トランクスルー機構付き
トランスミッションは8速AT シフトノブはクリスタルフィニッシュ シフト横に走行モード切り替え配置
※次ページでスペックを紹介
BMW840iグランクーペの主要諸元
グレード=840iグランクーペ
価格=8SAT 1152万円
全長×全幅×全高=5085×1930×1400mm
ホイールベース=3025mm
車重=2154kg
エンジン=2998cc直6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=250kW(340ps)/5000~6500rpm
最大トルク=500Nm(51.0kgm)/1600~4500rpm
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ=フロント245/45R18/リア275/40R18
駆動方式=FR
乗車定員=4名
トランク容量=440リッター
最高速度=250km/h
0→100km/h加速=5.2秒
※2019年10月デビュー ※性能スペックは欧州仕様
ボディは高剛性カーボンコア構造 足回りはしなやか 乗り心地は最上レベル
Mスポーツのバンパーはエアロ形状 エグゾーストエンドは左右4本出し
ヘッドライトは照射範囲の広いレーザータイプ フルLED