魅惑のハンドリングと刺激的なサウンド。ロータスのマスターピース、エリーゼが「永遠のスポーツカー」だと感じる一瞬

ロータス・エリーゼ・スポーツ220ヘリテージエディション 試乗記

IMG_0658.JPGロータス・エリーゼ・ヘリテージエディション 価格:6MT 789万5250円 ヘリテージエディションはスポーツ220Ⅱをベースにした特別仕様 日本限定30台販売

日本限定30台。鮮烈パワーと伝統を感じさせるファッションが融合

 あっ変わった_ エリーゼ・オーナーなら、乗った瞬間にわかる。

 ロータスの創始者コーリン・チャップマンの思想は「シンプルな構造とライトウエイト」。それを現代に継承するモデルがエリーゼである。

 エリーゼ・ヘリテージエディションは、日本市場専用の特別仕様。ボディカラーの基本は、オールドイングリッシュホワイト。レッド、ブルー、グリーンから選べるストライプと内装色がカラーコーディネートされ、各色10台、30台の限定車だ。

 ベースモデルはスポーツ220Ⅱ。220は1.8リッター直 4DOHC16Vスーパーチャージャーユニットが発生する220psのパワー(トルクは250Nm)を表す。車重は904kg。6MTを操りパワーをフルに引き出すと0~100km/h加速を4.6秒でクリア、最高速度は233km/hに達する。パフォーマンスは、富士スピードウェイで実証済みだ。

 試乗車の淡いグリーンは、1960年代ロータスを彷彿させる色調。デタッチャブルトップ(オプション)にもストライプが走り、遮音性と一体感が向上。ブラックの軽量ホイールが足元を引き締める。クラリオン製オーディオと、フロアマットを「標準」とカタログに記すところがロータスらしい。

IMG_0696.JPGエリーゼはコンパクトで軽量な点が魅力 全長×全幅×全高3800×1720×1130mm ホイールベース2300mm 車重904kg パワーウエイトレシオ:4.11kg/ps 駆動方式:MR

乗り味が変わった!限定車はシャープさはそのままに乗り味が洗練

 エリーゼのアルミ製バスタブシャシーは、アルミ独特の軽さと硬さを示し、それが固い乗り味につながっていた。

 ハンドリングは素晴らしい。ノーズに重量物がないため、レーンチェンジでもS字コーナーでも、わずかなステアリングの切れ角でヒラヒラと舞うように軽快に抜ける。ドライバーの意のままに操れる点は、エリーゼの特性であり最大の魅力だ。固さも含めた乗り味を、「ロータス愛」を持つユーザーは納得していた。

 限定車で変わった点は何か?

 実は、固い乗り味が変化した。走りはじめて路面の凹凸を通過すると、ショックアブソーバーの変更か、どこかのマウント類にゴムブッシュを使ったのか、と感じる。まさにゴムシートを1枚敷いたかのような感触があった。「路面との当たり」に固さがない。カドのない滑らかさ(エリーゼにしては、だが)を与えた要因は何か? 疑問が次々にわく。

 従来モデルで衝撃として体を突き上げていたエネルギーを、弾性感を持つフィーリングに変えた要因はタイヤだった。従来のアドバン・ネオバをアドバン・スポーツに変更。そのうえでフロントは幅をワンサイズアップ(175/55R16→195/50R16)していた。滑らかさを増したうえに、ステアリング操作による俊敏性が高まっているのはその効果だ。新世代タイヤ装着のメリットは大きい。シャープな運動性はそのままに乗り味をリファイン。そしてタイヤから発生するノイズも抑えている。

IMG_0843.JPGヘリテージエディションは室内各部とシートをストライプと同色のレザーでコーディネート シンプルだが上質な雰囲気 ステアリングはノンパワーアシスト ハンドリングはシャープ 洗練された乗り味

操作が楽しい6速MT。スピードの伸びは強力

 トランスミッションは6速MT。シフトゲート部にカバーを付けず、リンケージ類を見せる手法は素晴らしい。シフトポジションがどこにあるのか、レバーの角度で判定できる。結果として、シフトミスはなくなり、クイック操作をするにも左右方向に無用な力を入れずに済む。

 エリーゼは、MTの操作が楽しいと改めて実感させてくれる。街乗りでも4~5速が使える柔軟性があり、実に運転しやすい。

 スピードの伸びも素晴らしい。公道では試せないが、最高速度に達するのは容易だ。エンジン出力が空気の壁を突き破り、突進する限界まで抵抗なくスピードが増す。これは優れた空力性能の証しだ。

 エリーゼには、ロータスでしか味わえない魅力がぎっしり詰まっている。走行中に注意すべき点は、前方左右のクルマに自車の存在を知らせること。死角にならない位置取りが重要だ。ヘリテージエディションの鮮やかなカラーリングはその点で有利である。

IMG_0884.JPGシートはサーキット走行対応薄型バケット形状 乗り心地は路面の当たりに固さを感じない快適設定 室内幅はタイト

IMG_0814.JPG2ZRーFE型1798cc直4DOHC16Vスーパーチャージャー 220ps/6800rpm 250Nm/4600rpm トヨタ製エンジンをロータス・チューン レスポンスはシャープ

IMG_0803.JPGタイヤ銘柄は従来のアドバン・ネオバからアドバン・スポーツに変更 アルミは軽量スポーク

※次ページでスペックを紹介

ロータス・エリーゼ・スポーツ220ヘリテージエディション主要諸元

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価格=6MT 789万5250円
全長×全幅×全高=3800×1720×1130mm
ホイールベース=2300mm
車重=904kg
乗車定員=2名
エンジン=1798cc直4DOHC16Vスーパーチャージャー
最高出力=162kW(220ps)/6800rpm
最大トルク=250Nm(25.4kgm)/4600rpm
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:195/50R16/リア:225/45R17
駆動方式=MR
最高速度=233km/h
0→100km/h加速=4.6秒
※デビュー●2019年7月

IMG_0763.JPGFRP製HTルーフはディーラーオプション 標準はキャンバストップ

IMG_0844.JPGフロアはアルミ製モノコックが露出 ブレーキの利きは素晴らしい

IMG_0863.JPG6速MTはクロースレシオ設定 リンケージが見えるメカニカルな仕様 シフトフィールは軽快で確実

IMG_0703.JPGエンジンは4000rpm以上でパワー炸裂 排気音も刺激的 足回りはビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングの組み合わせ

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