マクラーレンGT 試乗記
マクラーレンGT 価格:7SMT 2640万円 GTはスーパースポーツならではのパフォーマンスと快適なグランドツーリング性能が魅力の新ラインアップ ボディ骨格は軽量高剛性のCFRP製モノコック
ラゲッジ容量570リッター、エレガントで実用的なスーパーカー登場
マクラーレンがスポーツ、スーパー、アルティメットに次ぐ第4のシリーズ、GTをリリースした。
ベースはスーパー・シリーズの720S。カーボンモノコックボディやパワートレーン、電子制御シャシーなど、メインのメカニズムパートは、すべて「快適」をキーワードに調律されている。
GTのデザインはエレガンス性重視で、「汗臭さ」とは無縁。水平に切られたハンマーシェイプノーズや、弧を描く美しいルーフライン、グラマラスなリアフェンダーが目を引く。ノーズの位置が高いため、段差などでもドイツ製スポーツサルーンと同じように扱える。ボディサイズは全長×全幅×全高4683×2045×1213mm。幅が広く、長く、高いから、実際に目の当たりにすると、その大きさに驚く。
GTは他のマクラーレンと同様にCFRPモノコックボディ、モノセルを採用する。専用デザインのモノセルはサイドシルが低く、乗降性を高め、大型電動ガラスハッチゲートを装備する。そのため、リア側にCFRP製のブリッジ構造を新設した。最大の特徴はエンジン上に420リッターの収納スペースを確保した点だ。フロントと合わせて570リッター。ミッドシップスーパーカーとしては異例の容量だ。
エンジンは720Sと同じ4リッターV8ツインターボ(620ps/630Nm)を積む。ターボチャージャーは720S比で低慣性型を装備。ピークパワーを狙わずに、実用域におけるトルク性能を重視した。
スタイリングはエレガント 全長×全幅×全高4683×2045×1213mm 車重1530kg パワーウエイトレシオ:2.47kg/ps 駆動方式:MR
まるでスポーツサルーンの快適さ、トップスピードは326km/hのオールマイティカー
開けやすくなったディヘドラルドアから室内にもぐり込む。キャビンは従来シリーズより開放的で、パッセンジャーシートとの距離は十分ある。何よりモダンブリティッシュラグジュアリーに共通する質感の高いインテリアが、キャラクターをアピールする。
V8エンジンは拍子抜けするほど静かに目を覚ました。マクラーレンは、もともと乗り心地に優れたスーパーカーだが、GTは心地よさがいっそう洗練されていた。コンフォートモードで走りだせば、スムーズなトルクフィールと軽やかなステアリング、コントロールしやすいブレーキ、シームレスな変速のおかげで、まるでスポーツサルーンのような味わいだ。
走行モードをスポーツかトラックに切り替えると、V8ツインターボはラウドなサウンドを奏で、実にマクラーレンらしく、敏捷かつ極めて正確なハンドリングパフォーマンスを見せる。サーキットでも十分に楽しめそうだ。最高速度は326km/h、0~100km/h加速は3.2秒でクリアする。
GTは毎日の街乗りからサーキットまで、オールマイティにこなす新たなスーパーカーである。
室内は開放的でモダンな造形 各部の仕上げは上質 シートはナッパレザー標準 オーナーの好みで多彩な素材とカラーが選べる
リアのエンジン上部(容量420リッター)とフロント(容量 150リッター)にラゲッジスペースを用意 グランドツーリングに対応
足回りは電子制御ダンピング調整付き4輪ダブルウィッシュボーン
※次ページでスペックを紹介
マクラーレンGT主要諸元
グレード=GT
価格=7SMT 2640万円
全長×全幅×全高=4683×2045×1213mm
ホイールベース=2675mm
車両重量(DIN)=1530kg
エンジン=3994cc・V8DOHC32Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=456kW(620ps)/7500rpm
最大トルク=630Nm(64.3kgm)/5500~6500rpm
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ=フロント255/35R20/リア295/30R21
駆動方式=MR
乗車定員=2名
最高速度=326km/h
0~100km/h加速=3.2秒
※2019年9月デビュー ※スペックは欧州仕様
前後重量配分は42.5対57.5 エンジンは4リッター・V8ツインターボ(620ps/630Nm) トランスミッションは7速DCT
電動油圧式パワーステアリングは滑らかな操舵フィール パドルは大型形状