英マクラーレン・オートモーティブは11月13日(現地時間)、アルティメットシリーズの新型モデル「エルバ(Elva)」を発表した。
▲マクラーレンのアルティメットシリーズの最新モデルとなるエルバ 基本骨格はカーボンファイバーコンポジットのモノコック構造で構成。フルオープンのボディカウルやシート骨格もカーボン材で仕立てる。生産台数は399台の限定で、車両価格は142万5000ポンド(約2億円)に設定
新型エルバは、マクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンが1960年代に設計したレーシングカー、マクラーレン・エルバM1シリーズをリスペクトして命名した新世代のロードスターである。基本骨格はカーボンファイバーコンポジットのモノコック構造で構成。フルオープンのボディカウルやシート骨格などもカーボン材で仕立てる。さらに、制動機構には焼結加工のカーボンセラミックブレーキを採用。徹底した軽量素材の採用によって、車両重量はマクラーレンのロードカーで最軽量(正式なスペックは後日発表)を成し遂げた。
▲ミッドシップ配置のパワーユニットはマクラーレン・セナなどと基本的に共通の3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンで、最高出力は815ps、最大トルクは800N・mを発生する
エクステリアについては、ルーフやウィンドスクリーン、サイドウィンドウが未装備のフルオープン2シーターで基本フォルムを構築(オプションでフロントガラスの選択可)。そのうえで、低いフロントノーズと盛り上がったフロントフェンダーによって有効な前方視界を確保し、また格納式ロールオーバープロテクションシステムを組み込むことでリアのツインバットレスの高さを最小限に抑えた。
▲エクステリアはルーフやウィンドスクリーン、サイドウィンドウが未装備のフルオープン2シーターで基本フォルムを構築。世界初のマクラーレン・アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)も導入する
スプリッター上部中央に設置した大きなインレットとフロントクラムシェルのアウトレットベント、上下に動くカーボンファイバー製ディフレクターで構成する世界初のマクラーレン・アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)を導入したことも訴求点だ。フロントノーズから取り入れた空気が乗員の前方のクラムシェルから排出され、さらにコクピットの上に誘導されて後方へと流れるようにアレンジしたこのシステムは、空力特性を高めるとともに、キャビン空間の高い静粛性を実現する。また、AAMSが作動している際はディフレクターがボンネットアウトレットの端で150mm上昇して低圧ゾーンを創出し、効果的なダウンフォースを発生する仕組みとした。
オープンエアのキャビンを包み込むマクラーレン最新の"ブラード・バウンダリー(溶け込むような)"デザインを採用した点も見逃せない。キャビン周囲のパネルやシザーズドアの最上部はカーブを描きながら内装と融合し、またシートのバットレスはキャビン後方にきれいに流れ込むなど、エクステリアとインテリアが境界なく一体化したかのような、美しく洗練された造形を具現化する。一方、インテリア自体には、ステアリング連動のインストルメントクラスターやアクティブダイナミック機能のコントロールスイッチを配したクラスター、マクラーレン・トラック・テレメトリーやサテライト・ナビゲーションなどの情報を表示する8インチの高解像度タッチスクリーン、フルバケット形状のシートなどを装備。マクラーレンのビスポーク部門によるパーソナライゼーション・オプションも豊富に用意している。
▲オープンエアのキャビンを包み込むマクラーレン最新の"ブラード・バウンダリー"デザインを採用。インテリア自体にはステアリング連動のインストルメントクラスターや8インチの高解像度タッチスクリーンを装備する
ミッドシップに搭載するパワーユニットは、マクラーレン・セナやセナGTRに採用したユニットと基本的に共通の3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンで、最高出力は815ps、最大トルクは800N・mを発生。トランスミッションには7速シームレスシフトギアボックス(DCT)を組み合わせて後輪を駆動し、0→100km/h加速は3秒未満、0→200km/h加速はマクラーレン・セナより速い6.7秒を達成する。また、排気システムにはチタニウム材とインコネル合金材を採用したクアッドエグゾーストをセット。さらに、足回りには最新のリンク型油圧式フルアクティブサスペンションを、操舵機構には専用セッティングの電動油圧式ステアリングシステムを組み込んだ。
▲エルバの車名はマクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンが1960年代に設計したレーシングカー、マクラーレン・エルバM1シリーズ(写真左はエルバM1A)に由来
マクラーレン・エルバの生産台数は399台の限定で、車両価格は142万5000ポンド(約2億円)に設定。日本での車両価格や導入時期などは、現在のところ未公表である。