ポルシェ渾身のEVスポーツモデル「タイカン」が日本で待望の初公開!

ポルシェ ジャパンが初のフル電動スポーツカー「タイカン」を国内報道陣向けに初披露。合わせて「期間限定タイカン予約プログラム」の開始を発表

 ポルシェ ジャパンは11月20日、ブランド初となるフル電動EVのスポーツカー「タイカン(Taycan)」を、国内報道陣向けに初公開した。

taycan_jp 1.jpg▲タイカン・ターボ 全長4963×全幅1966×全高1381㎜ ホイールベース2900mm 車重2305kg ローンチコントロールを使用した際の最高出力は680ps、最大トルクは850Nmを発生。リアアクスルには2速のトランスミッションを搭載する

 日本におけるタイカンは「ターボS(Turbo S)」と「ターボ(Turbo)」、そして「4S」という3タイプを設定する。もちろん、EVなので内燃機関におけるターボチャージャーを搭載しているわけではない。ポルシェ社内では通例的に"Turbo"の呼称は"最高峰グレード"を意味することから、タイカンにも同様のネーミング手法を採用したわけだ。

 タイカンのパワートレインは、前後アクスルに1基ずつモーターを搭載する、ツインモーターの4輪駆動で構成する。モーター自体にはソレノイドコイルのヘアピン巻線を採用し、より多くの銅をステーターに組み込むことで、通常の巻線と体積は同じままで出力とトルクを向上させた。ターボモデルの通常時の最高出力は625ps、最大トルクは850N・mを発生。ローンチコントロールを使用すると、ターボSは761ps/1050N・m、ターボは680ps/850N・mにまで高まる。一方、4Sは通常時の最高出力が435ps(パフォーマンスバッテリー仕様)で、ローンチコントロール使用時は530ps/640N・mを絞り出す。また、リアアクスルには2速のトランスミッションを組み込み、1速は静止状態からの発車時における大きな加速を、ロングレシオの2速は高効率と同時に高いエネルギー残量を保証し、高速走行時にも使用するようにセッティングした。

 性能面については、最高速度がターボSとターボともに260km/h、0→100km/h加速がターボSで2.8秒、ターボで3.2秒と公表。一方、4Sは最高速度が250km/h、0→100km/h加速が4.0秒とアナウンスする。また、一充電当たりの航続距離(WLTPモード)はターボSが388~412km、ターボが381~450km、4Sが407km、燃費ならぬ電費性能はターボSが26.9kWh/100km、ターボが26.0kWh/100km、4Sが25.7~21.1kWh/100kmに達するという。

taycan_jp 3.jpg▲ポルシェ ジャパンは全国のポルシェ正規販売店や公共施設に次世代CHAdeMOに対応した急速充電器を設置すると発表。充電出力は150kWで、タイカンの車載バッテリーを30分以内に80%まで充電する能力を有する

 4ドアスポーツサルーンに仕立てたエクステリアに関しては、ポルシェのDNAを明確に引き継ぐとともに、新しい時代の始まりを告げる新進のEVスポーツデザインを採用したことがトピックだ。まずフロント部は、曲線の強いフェンダーによって極めてワイドかつフラットな造形を創出。LEDデイタイムランニングライトバーを備えるフロントバンパーなども印象的だ。サイドビューは、後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインと彫りの深い前後フェンダーおよびドア部を組み合わせて存在感のあるルックスに仕上げる。そしてリアセクションは、いかにもポルシェらしいテーパーの付いたCピラーやボリューム感のあるショルダーライン、ライトバーに統合されるガラスルックのポルシェロゴなどによって、伝統と革新のデザインを巧みに融合させた。

taycan_jp 2.jpg▲独立型の湾曲したメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイを組み込む。Apple Musicも搭載した

 内包するインテリアは、1963年に登場した初代911のダッシュボードデザインが発想の源で、スポーティなドライビングためにアレンジされたこのダッシュボードデザインを、タイカンではデジタル時代にふさわしい造形に再構築する。独立型のメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイをセット。また、カウルを省略した一方で、パネル表面には蒸着偏光フィルターによる反射防止コーティングを施したガラスを組み込んだ。一方、ダッシュボード上部および下部は、翼をイメージさせるような左右に広がったデザインを導入。中央の10.9インチインフォテインメントディスプレイとオプションのパッセンジャーディスプレイの組み合わせは、ブラックパネルルックの一体化されたガラス画面を形成し、それによってインテリアと視覚的に融合する。加えて、上昇するセンターコンソールには、触覚フィードバック技術を備えた大型の8.4インチタッチパネルを装備した。

 ポルシェとしては初のレザーフリーの内装を採用したことも訴求点。リサイクル素材で作られた各部のマテリアルは、エレクトリックスポーツカーの持続可能なコンセプトを明確に示している。また、実用性を高める目的でラゲッジコンパートメントを前後に配置。フロントは81リットル、リアは366リットルの容量を確保した。

taycan_jp 4.jpg▲タイカンの発表の席では8月にポルシェ ジャパン代表取締役社長に就任したミヒャエル・キルシュ氏が初めて公の場でスピーチを披露した

 ポルシェ ジャパンは今回のタイカンの初公開に合わせて、11月20日より「期間限定タイカン予約プログラム」を開始すると発表した。このプログラムはタイカンの購入に興味のある人を対象にしたもので、特設サイトから登録画面に従って入力を行った後、ポルシェ正規販売店から電話またはメールで連絡が入り、購入予約が進められるという仕組み。プログラムへの参加にはデポジットが必要で、詳細は担当のポルシェ正規販売店から案内があるという。正式な車両価格は後日発表。ユーザーへの納車は、2020年9月以降から実施される予定だ。

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