カッコいいサルーンに乗ろう! ボルボが放つ新型スタイリッシュセダンの見所と戦略

ボルボS60・T5インスクリプション 試乗記

IMG_1741.JPGボルボS60・T5インスクリプション 価格:8SAT 614S万円 60は人気ワゴンV60のセダンバージョン メカニズムはV60と共通 T5は254ps仕様の2リッター直4ターボを積むFFモデル

S60は2リッターターボとプラグインハイブリッドを設定。米国工場で生産

 ボルボ初の米国工場製で、電動化を見据えた取り組みの一環として開発され、ディーゼルエンジンは未設定――そんな話題とともに2018年にフルモデルチェンジした3rdモデルとなるS60が、日本販売をスタートさせた。

 日本仕様は、チューニングが異なる2リッターのターボ付き4気筒ユニットを搭載して前輪を駆動する2種のガソリンモデル、T4(190ps/489万円)、T5(254ps/614万円)と、ターボ付きの2リッターユニットにスーパーチャージャーを加え、モーターと組み合わせた4WD(後輪はモーターで駆動)仕様の、T6ツインエンジン(システム出力352ps/779万円、プラグインハイブリッド)をラインアップする。トランスミッションは全車8速ステップATとの組み合わせ。

 T6ツインエンジンには、パワーユニットやシャシー、内外装に専用のチューニングを加えたスポーティなスペシャルモデル、T8ポールスターエンジニアード(システム出力420㎰/919万円)が30台限定で設定され、発売当日(2019年11月5日)に完売した。

 試乗車はT5インスクリプション。スラリと伸びたノーズと、明快なノッチを備えるリアセクションを組み合わせたデザインは、端正でダイナミックな印象。実にスタイリッシュだ。ボディサイズは全長×全幅×全高4760×1850×1435㎜。旧型と比較して全幅は15mm狭くなり、日本での使い勝手が改善された。インテリアは、最新ボルボに共通のシンプルでクリーンな雰囲気である。

IMG_1717.JPG全長×全幅×全高4760×1850×1435mm 全幅は旧型比15mm狭く日本の道路・駐車場環境に対応 ボディは高剛性設計

乗り味は全般に硬質。パドルシフトが欲しくなった

 センターコンソールの特徴的なデザインのノブをひねってエンジンに火を入れ、Dレンジを選んでスタート。蹴りだしの一瞬の動きはやや重々しい印象だ。

 ひとたびスピードに乗ればアクセル操作に対する加速感に不満はない。が、エンジン回転数が2000rpmを割り込むと、「やや重い」と意識させられる。キックダウンに頼らず力強い加速力を得たいシーンでは、パドルシフトがほしくなる場面もあった。

 試乗車が、標準比で1インチ増しの19インチタイヤ(セットop‌41万円)を装着していた関係もあってか、乗り味全般はやや硬質で、揺すられ感が目立つ場面もあった。なお、今回試乗した条件下では、オプション設定の電子制御式可変減衰力ダンパー、4Cを装着したモデルよりも、ベーシック仕様のほうがフラット感やサスペンションのストローク感が上回る印象を受けた。

 S60は、SUVが高い人気を集める中で登場した新型セダン。ボルボの自信が際立つ1台である。各部の完成度は高い。

IMG_1822.JPGインパネはシンプル&上質な最新ボルボ共通テイスト ハンドリングはナチュラル感覚 適度にシャープな味つけ 視界は良好で運転しやすい

IMG_1855.JPGIMG_1869.JPGインスクリプションはファインナッパレザーシート標準 前席はサポート性に優れた電動調整式 後席足元空間は余裕がある 乗り心地はやや硬質

IMG_1780.JPG235/45R18タイヤ標準 写真の19インチタイヤとアルミはパノラマサンルーフなどとセットop(41万円)

※次ページでスペックを紹介

ボルボS60・T5インスクリプション 主要諸元と主要装備

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グレード=T5インスクリプション
価格=8SAT 614万円
全長×全幅×全高=4760×1850×1435mm
ホイールベース=2870mm
トレッド=フロント1600×リア1600mm
車重=1660kg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=187kW(254ps)/5500rpm
最大トルク=350Nm(35.7kgm)/1500~4800rpm
JC08モード燃費=12.9km/リッター(燃料タンク容量55リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:インテグラル
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=235/45R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/ブレーキエネルギー回生システム
●主要装備:6エアバッグ/セーフティヘッドレスト/シティセーフティ(プリクラッシュブレーキ+右折時対向車検知機能+衝突回避支援ステアリングサポート+歩行者&サイクリスト&動物検知機能+対向車対応機能)/対向車線衝突回避支援機能/全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール/パイロットアシスト(車線維持支援機能)/ステアリングアシスト付きブラインドスポットインフォメーション/レーンチェンジマージエイド/レーンキーピングエイド/ドライバーアラートコントロール/クロストラフィックアラート/ロードサインインフォメーション/道路逸脱事故時保護機能/道路逸脱回避支援機能/フルアクティブハイビーム/360度ビューカメラ/パークアシストパイロット/車間警告機能/アドバンスドスタビリティコントロール/コーナートラクションコントロール/キーレスドライブ/ドライビングモードセッティング/電動パーキングブレーキ/LEDヘッドライト/前席電動パワーシート/前席ヒーター&ベンチレーション/本革巻きステアリング/ファインナッパレザー・コンフォートシート/後席分割可倒機構/ヘッドアップディスプレイ/9インチタッチスクリーンHDDナビゲーション/ハーマンカードン・プレミアムオーディオ/4ゾーンオートAC
●装着メーカーop:プラスパッケージ(電動パノラマサンルーフ+ステアリングホイールヒーター+リアシートヒーター+テイラードダッシュボード+19インチ・5ダブルスポークアルミ)41万円
●ボディカラー:フュージョンレッドメタリック(op9万2000円)
※2019年11月デビュー ※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万1020円

IMG_1805.JPG1968cc直4DOHC16Vターボ 254ps/5500rpm 350Nm/1500~4800rpm JC08モード燃費:12.9km/リッター 2000rpm以上で本領発揮

IMG_1767.JPG最新ボルボ共通のハンマー形状デイライト標準 バンパー部にフォグをビルトイン

IMG_1895.JPG大型パノラマサンルーフは前側だけがスライドする構造

IMG_1876.JPG後席は6対4分割トランクスルー機構付き 長尺物にも対応

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