テスラ・サイバートラック、受注開始

堅牢強固なボディシェル、2021年生産スタート予定

▲2021年に生産開始予定のテスラの最新モデル　サイバートラックのパワートレーンは3タイプ設定（一部の写真はテスラのHPから）

　イーロン・マスクCEOが率いる米国のEVメーカー、テスラ社が2019年11月21日、電動ピックアップトラック、新型サイバートラックを発表。早くも受注を開始した（予約金は日本の場合1万5000円）。テスラの表現によれば「トラックよりも実用的で、スポーツカーよりも優れたパフォーマンス」を発揮するモデルだ。

▲室内は乗車定員6名　リアシートの下は荷物スペースとして使える

　トラックで重視される性能は、荷台の積載性と、牽引力である。サイバートラックは最大で重量3500ポンド（約1587kg）の積載性能と、重量1万4000ポンド（約6350kg）以上の牽引力を持つという。

　パワートレーンは3タイプ設定されている。

・シングルモーター後輪駆動：航続距離250マイル（約400km）以上
　　　　　　　　　　　　　　牽引力7500ポンド以上（約3400kg）以上
　　　　　　　　　　　　　　０〜96km／k加速6.5秒以下
　　　　　　　　　　　　　　価格：3万9900ドル〜（2021年生産開始）
・デュアルモーターAWD駆動：航続距離300マイル（約480km）以上
　　　　　　　　　　　　　　牽引力1万ポンド以上（約4535kg）以上
　　　　　　　　　　　　　　０〜96km／k加速4.5秒以下
　　　　　　　　　　　　　　価格：4万9900ドル〜（2021年生産開始）
・トライモーターAWD駆動：航続距離500マイル（約800km）以上
　　　　　　　　　　　　　牽引力1万4000ポンド（約6350kg）以上
　　　　　　　　　　　　　０〜96km／k加速2.9秒以下
　　　　　　　　　　　　　価格：6万9900ドル〜（2022年生産開始）

▲荷台の一部が荷物積載用のスロープになる　荷台に見えるATVはテスラが発売するモデルだろうか

　ボディサイズは未公表（ヴォールト長約1.98m）だが、米国でいうフルサイズに該当する。4ドアで乗車定員は6名（前後 3名ずつ乗車）。トラックの荷台部分にはスロープ状のマジックトノカバーが装着でき、荷物を外部の視線から遮ることができる。荷室容量は約2831リッター。ボディ外板はウルトラハード30Xコールドロールステンレススチールが使われている。極めて堅牢な外板で、サイバートラックの発表会（会場はテスラ・デザイン・スタジオ）では、大きなハンマーでドア部分を叩いても「大丈夫、へこまない」というパフォーマンスが行われた。

▲スロープ状のマジックトノカバーを装着　荷台に収納した荷物を周囲の視線から遮り防犯性を高めている

　ボディが頑丈なら、窓ガラス部分も堅牢だ。テスラ・アーマーガラス（超強力ガラスとポリマーレイヤーの複合材）をウィンドウ部分に使い、極めて強固なガラスエリアに仕上げている。ガラスの強固さを示すパフォーマンスでサイドウィンドウに至近距離から鋼鉄製と思われるボールを投げつけると、前後のサイドウィンドウに蜘蛛の巣状のひび割れが入るという思わぬハプニングが発生。ただし、貫通はしなかったため、実演したスタッフは「大変に硬い」とコメントし、フォローしていた。

　サイバートラックはテスラの最新モデルにふさわしい、先端技術をふんだんに取り入れている。室内には17インチのタッチスクリーンディスプレイが設置され、自動運転に対応。サスペンション は4段階に車高の調整ができ、セルフレベリング機能も備えている。オンボード電源なども用意し、アウトドアで電化製品が使えるように配慮している。

　価格は3万9900〜6万9900ドルとなっている。トライモーターは2022年から生産を始めるが、ほかは2021年中に生産を始める予定だ。発表会から48時間で「14万6000台の予約があった」とマスクCEOはツイッターで報告。注文の42%はデュアルモーター仕様だというが、41%は最上級のトライモーター仕様だという。

▲アウトドアギアの一部がサイバートラックの専用品として開発されている様子がうかがえる

▲強力なモーターを搭載して圧倒的な走行性能を発揮　運転支援システムはオプションになるもよう

▲最大牽引力は1万4000ポンド（約6350kg）以上　米国で販売されるトラックにとって牽引性能は重要度が高い　フォードFシリーズトラックの最大牽引性能は1万2100ポンド（約5500kg）　強力なトルクを発揮するモーターを積んだサイバートラックの牽引性能が光る