車いすの利用時の乗降性が向上
トヨタ自動車は3月15日、新世代タクシーのJPN TAXI(ジャパンタクシー)を一部改良して発売した。車種展開および車両価格は従来と同様で、和(なごみ)が327万7800円、匠(たくみ)が349万9200円に設定する。
▲JPN TAXI 匠 価格:THS349万9200円 全長4400×全幅1695×全高1750mm/ホイールベース2750mm 車重1410kg 乗車定員5(車いす乗車時3)名 発進までお客を待たせないようにパワースライドドアの閉じる時間を1.5秒短縮した
今回の改良の最大のトピックは、車いす乗降の改善だ。タクシー業界からは、以前から車いす乗降用スロープの設置作業が複雑で、しかも時間がかかるという指摘を受けていた。これを改善し、スロープ設置から車いす固定などにかかる時間を3分程度(作業の熟練度が高い人の場合)に短縮したことが、今回の改良の特徴である。
具体的には、車いす乗降用スロープを折り畳み3つ折り式から2つ折り式に変更。延長用スロープは折りたたみ構造から樹脂一枚板に切り替え、設置作業を簡素化した。
車いす乗降用スロープ1枚で単独使用できる機会を増やすため、スロープの長さが840mmから1100mmに延長された。ベルト類を入れていた収納袋を廃止し、出し入れしやすいポケットをフロアに設置。設置作業手順を書いたラベルを各箇所に貼付けるなど、作業忘れ対策を実施した。
▲車いす乗降用スロープを折り畳み3つ折り式から2つ折り式に変更。延長用スロープは折りたたみ構造から樹脂一枚板に切り替えて設置作業を簡素化した
その他の改良点は、衝突回避または被害軽減に寄与するToyota Safety Senseのプリクラッシュセーフティは、新たに昼間の歩行者検知機能を追加。乗車から発進までの時間を短縮するために、パワースライドドアの閉じる時間を1.5秒速く(6.5秒→5.0秒)した。料金トレイの位置を10cm低くし、ユーザーの利便性を高めた。リアワイパーは、天候に応じて作動速度をHiとLoに切り替え可能な間欠機能付きタイプに刷新した。
パワートレーンは従来と共通で、リダクション機構付のTHSⅡ(1.5リットルLPG+モーター)を採用。全長4400×全幅1695×全高1750mm、ホイールベース2750mmのボディサイズに変更はない。