英国LEVC(London EV Company)の日本法人であるLEVC Japanは12月24日、新型ロンドンタクシー「TX」を日本市場に導入し、2020年2月1日より予約受注を開始すると発表した。車両価格や諸元などは、2020年1月10日の報道向け発表会およびウェブサイトでアナウンスする予定だ。
▲新型ロンドンタクシー「TX」 パワートレインには"e-city"と呼ぶ新設計のレンジエクステンダーを採用した
ちなみに、LEVCは2013年2月より中国の自動車企業である浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)傘下となり、2017年に旧LTI(London Taxi International)からLEVCへと名称変更。本社は英国コベントリー近郊のアンスティに構えている。
では、新型ロンドンタクシー「TX」の概要を見ていこう。最大の注目は"e-city"と称する新設計のパワートレインで、1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジンを発電用にあて、駆動は100%モーターで行う、プラグインハイブリッドの一種のレンジエクステンダーを採用する。また、蓄電池には耐久性に優れる水冷式のリチウムイオンバッテリー(容量32kW)を設定し、同時に外部からの急速充電にも対応した。主要サービスインターバルは、メンテナンスコストが抑えられる2万4000km毎に設定している。
▲1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジンを発電用にあて、駆動は100%モーターで行う。蓄電池には容量32kWのリチウムイオンバッテリーを搭載
基本骨格に関しては、レンジエクステンダー化による車重の増加を抑える目的で、軽量なアルミニウム材を接着焼付工法で組みつけた新ボディを採用する。また、外板には特殊繊維素材で成形した耐久性および耐候性の高いマテリアルを組み付けた。
▲車両床面には最大で250kgの重量に耐えられるスライド式スロープを設置。ドアには観音開きタイプを採用する
機能装備面では、伝統の「すべての乗客に対して使い勝手の良いインテリア」をいっそう磨き上げたことが特徴で、とくに車いすの乗客に優しい仕様に仕立てた点がトピックだ。車両床面には、最大で250kgの重量に耐えられるスライド式スロープを設置。また、観音開きのドアを採用することで、ドア開口部および室内幅のワイド化と、乗降時における乗客への身体的負荷の軽減、さらにドライバー自体の介助負担の低減を図った。一方、旧型で好評だった回転式リアシートは継続して装備。格納式ステップも、同時に使用することが可能である。