メルセデス・ベンツG350d 価格:9ATC 1192万円 試乗記
メルセデス・ベンツG350d 3リッター直6ディーゼル(286ps/600Nm)を搭載したシリーズ主力グレード パワーユニットはS400dなどに搭載され好評のOM656型 写真はAMGライン(op38万7000円)装着車
Gクラスは富裕層が乗るSUVの代表、その販売主力は3リッターディーゼル
メーカーは最新のGクラスについて「1983年以来となる型式W463を引き継いだマイナーチェンジモデル」と説明する。しかしこれはコンセプトを継承していることを説明するための、メルセデスの「遊び心」だろう。改めていう、新型は、正真正銘フルモデルチェンジだ。
確かにエクステリアデザインのイメージは変わらない。とはいえ全幅は広がったし、インテリアは全面的に刷新され、ラダーフレーム構造はすべて新しい。中でもフロントサスペンションはリジッド+コイルをあきらめ、ダブルウィッシュボーンに一新。これをフルモデルチェンジといわずして何というか?
それはさておき、ついにGクラスの本命グレード、G350dが日本上陸を果たした。ガソリンエンジンを積むG550とAMG・G63に次ぐ第3のグレードは、待望のディーゼルエンジン搭載車。従来モデルは、70%以上のユーザーがディーゼルを選んでいたという。
新世代OM656型ストレート6ディーゼルターボは、すでにS400dなどに搭載され、絶賛を浴びている。3リッターの排気量から最高出力286ps&最大トルク600Nmを発生し、組み合わせるトランスミッションは9速AT。最新の排出ガス浄化システム付きだ。
Gクラスの魅力はボクシーでクラシカルな造形 全長×全幅×全高4660×1985×1975mm(AMGライン装着車) 駆動方式はデフロック機構付き4WD
ヘビーウエイトを物ともしない高い実力。走りはまさに思いのまま!
ドアロックを解除すると、例によってガチャリと盛大な音がした。あえていくつか残した旧世代Gクラスの名残りだ。新型もいまどきのSUVとしては「人に優しくない」。乗降性はその代表。だが、これがGクラス。よじ上るようにして入った先にはモダンな大画面ダッシュボードが待っていた。
魅力はエンジンだ。この3リッターディーゼルは、1200rpmから3200rpmの幅広い領域で 600Nmの最大トルクを発する。発進は車重 2.5トンの巨体をものともしない。右足の親指に力を加える程度の踏み込みで十分だ。発進後の加速はまさに意のまま、思うがまま。車体の隅々にパワーがみなぎっている、と感じるほどの大トルクに満たされる。やはりOM656型は現代最高のディーゼルだ。
待望のユニットを得た新型G350dは、以前に比べて圧倒的に洗練された乗り心地を全域で提供する。ラダーフレーム式クロカン4WDの乗り味を残しているが、モダンな印象が強い。扱いやすさも格段に向上し、速度が乗ってくると、最新のスポーティSUVと遜色ないハンドリングをみせる。
新型のサイズ(全長×全幅×全高4660×1985×1975mm/AMGライン装着車)さえ気にならないのなら、全ゲレンデ・ユーザーに乗り換えを勧めたい。
インパネは12.3インチのセンターモニターと12.3インチ液晶メーターのツインディスプレイ仕様 助手席アシストグリップ装備 全幅はワイドだが絶好の視界のため思いのほか運転しやすい ハンドル位置は右
シートは本革標準 写真のレッドステッチ仕様はセットop フロアは高く乗り込む際はステップを利用する 乗り心地は快適
丸型ヘッドライトはGクラスのアイデンティティ マルチビームLEDタイプ
メルセデス・ベンツG350d 主要諸元と主要装備
グレード=G350d
価格=9SATC 1192万円
全長×全幅×全高=4660×1930×1975mm
ホイールベース=2890mm
トレッド=フロント1640×リア1640mm
最低地上高=240mm
車重=2460kg
エンジン=2924cc直6DOHC24Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=210kW(286ps)/3400~4600rpm
最大トルク=600Nm(61.2kgm)/1200~3200rpm
WLTCモード燃費=9.9km/リッター(燃料タンク容量100リッター)
(市街地/郊外/高速道路=7.9/9.8/11.2km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リアリジッド
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=265/60R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=6.3m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/電動パワーステアリング/筒内直接噴射/コモンレール高圧噴射/電子制御燃料噴射/ターボチャージャー/インタークーラー
●主要装備:レーダーセーフティパッケージ(アクティブブレーキアシスト+PRE-SAFE+アクティブレーンキーピングアシスト+ブラインドスポットアシスト+アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック+トラフィックサインアシスト)/アダプティブブレーキ/電子制御デフロック/クロスカントリーギア/マルチビームLEDヘッドライト/アダプティブハイビームプラス/360度カメラシステム/アクティブパーキングアシスト/ステンレス製ランニングボード&サイドステップ/プライバシーガラス/マッドフラップ/本革シート/前後シートヒーター/パドルシフト/本革巻きステアリング(電動チルト&テレスコピック機構付き)/アナログ時計/3ゾーンクライメートコントロール/イージーエントリー/12.3インチワイドディスプレイCOMANDシステム/ETC2.0車載器/メルセデスmeコネクト
●装着メーカーop:AMGライン(AMGスタイリングパッケージ+20インチアルミ+ブラッシュドアルミニウムサイドストリップライン/レッドステッチ入りレザーシート+スポーツステアリング+designoピアノラッカーウッドトリム+ロゴ入りブレーキキャリパー)38万7000円/ラグジュアリーパッケージ(ガラススライディングルーフ+Burmesterサラウンドサウンドシステム)30万6000円/アダプティブダンピングシステム15万3000円
●ボディカラー:エメラルドグリーン
※2019年4月デビュー ※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万9950円
※AMGライン装着車の全幅は1985mm
2924cc直6DOHC24Vディーゼルターボ 286ps/3400~4600rpm 600Nm/1200~3200rpm 全域パワフル&スムーズ WLTCモード燃費:9.9km/リッター
中央にセンターと前後のデフロックスイッチを配置 本格オフローダーの証
265/60R18タイヤ標準 写真の275/50R20+アルミはセットop 最低地上高240mm
リアゲートは左ヒンジの片開き式 荷室容量は後席使用時667リッター/最大1941リッター 後席はダブルフォールディング式