ドイツのポルシェAGは1月16日(現地時間)、718モデルレンジに新型「718ケイマンGTS4.0」と「718ボクスターGTS4.0」を追加設定すると発表した。
▲ポルシェ718ケイマンGTS4.0 ミッドシップに搭載されるエンジンは3995cc水平対向6気筒DOHC 400ps/7000rpm、最大トルクは同数値の420N・m/5000~6500rpmを発生する
最大の注目点は、レース用モデルの718ケイマンGT4/718スパイダーに搭載する"9A2 Evo"3995cc水平対向6気筒DOHCの自然吸気エンジンを、専用チューニングで搭載したことだ。ベースユニットと同様、燃料噴射システムのDFIにはピエゾ式インジェクションをセット。燃料噴射をきめ細かく設定し、燃焼プロセスをより向上させる。また、2つのレゾナンスバルブを備えた可変吸気システムを組み込み、シリンダー内のガス交換を最適化。さらに、負荷が低い状態では片側バンクのシリンダーを休止して燃料消費を低減するアダプティブシリンダーコントロールも内蔵した。同時に、排気系にはGT4由来のツインテールパイプ・スポーツエグゾーストシステムを装備する。最高出力はGT4の420ps(309kW)/7600rpmに対して400ps(294kW)/7000rpm、最大トルクは同数値の420N・m/5000~6500rpmを発生。トランスミッションには専用セッティングの6速MTを組み合わせる。公表された最高速度は293km/h、0→100km/h加速は4.5秒を誇り、しかも新欧州サイクルでの燃費は10.8l/100km、CO2排出量は246g/kmという優秀な数値を達成した。
▲公表された最高速度は293km/h、0→100km/h加速は4.5秒。新欧州サイクルでの燃費は10.8l/100km、CO2排出量は246g/kmを達成
▲トランスミッションには専用セッティングの6速MTを採用。ダークカラーのアルカンターラを多用してスポーティかつエレガントな雰囲気を創出する
シャシー面については、車高を20mmほどローダウンさせるPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネジメント)スポーツサスペンションを標準で設定。さらに、独立して選択可能なPSMスポーツモードを備えたポルシェスタビリティーマネジメント(PSM)、アップグレードされたポルシェトラックプレシジョンアプリを含むスポーツクロノパッケージ、ポルシェアクティブドライブトレインマウント(PADM)、メカニカルリミテッドスリップリアディファレンシャルを備えたポルシェトルクベクトリング(PTV)などのパフォーマンス指向コンポーネントを標準で組み込んだ。一方、シューズにはサテングロスブラックの20インチ軽合金製ホイールと高性能タイヤ(前235/35ZR20、後265/35ZR20)を装着。そして、強化されたブレーキシステムにはクロスドリルドディスクとレッドに塗装したキャリパーを標準で装備し、さらにオプションとしてポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)を用意した。
▲ポルシェ718ボクスターGTS4.0 搭載エンジンは718ケイマンGTS4.0と共通。車高を20mmほどローダウンさせるPASMスポーツサスペンションを標準で設定する
エクステリアに関しては、スポイラーリップ、スポーツデザインフロントエプロンのエアインテーク、フロントフォグライトレンズ、リアライトレンズ、新設計のリアバンパー下部に、コントラストダークカラーによるディテールを採用したことがトピック。GTS4.0モデル特有のスポーツ性や存在感を、目一杯に強調した。
▲新設計のリアバンパー下部やリアライトレンズにコントラストダークカラーによるディテールを施す
インテリアについては、ダークカラーのアルカンターラをスポーツシートプラスのセンターパネル、ステアリングホイールリム、センターコンソール、シフトレバー、両側ドアアームレストに採用してスポーティかつエレガントな雰囲気を創出した点が特徴。また、718ケイマンGTS4.0はAピラーとルーフライニングもアルカンターラで覆う。一方、オプションのGTSインテリアパッケージを選択した際は、別色のカーマインレッドまたはチョークを追加して、レブカウンター、シートベルト、ヘッドレストの"GTS"刺繍ロゴを含むデコレーティブステッチ、およびブラックボーダー付フロアマットの"PORSCHE"ロゴを強調することが可能。トリムエレメントとセンターコンソールトリムはカーボンで仕立てた。ほかにも、機能装備として高解像度7インチタッチスクリーンを備えたポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)と拡張されたトラックプレシジョンアプリを含むスポーツクロノパッケージを標準装備。日本仕様にはリアルタイム交通情報を備えたオンラインナビゲーションモジュール、ボイスコントロール、Porsche Connectも組み込む予定だ。
▲機能装備として高解像度7インチタッチスクリーンを備えたポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)と拡張されたトラックプレシジョンアプリを含むスポーツクロノパッケージを標準で装備した
ドイツ市場での車両価格は、718ケイマンGTS4.0が8万1926ユーロ(約1005万円)~、718ボクスターGTS4.0が8万3949ユーロ(約1030万円)~に設定。日本での発売日や車両価格は現在のところ未発表だが、ポルシェ ジャパンの公式HPで価格未定のままイメージ画像などが掲載されていることから、それほど遠くない時期に正式発表となるだろう。