日産GT-Rプレミアムエディション 価格:6SMT 1232万9900円
日産GT-Rプレミアムエディション 2020年モデルはGT-Rニスモと同様のターボ高効率化技術(アブレタブルシート)を採用 R走行モード時の変速制御や足回りをリファイン GTーRは2019年に誕生50周年を迎えた伝統スポーツ
2020年モデルはターボを改良。R走行モード時のシフトプログラム改善
GT-Rの2020年モデルは、ニスモ・バージョンに採用されてきたターボチャージャーの高効率化技術を全グレードに展開。R走行モード選択時のシフトプログラムが、一段とスポーティになった。さらにブレーキブースター特性の設定変更や、サスペンションの再チューニングも行われている。
単なるパフォーマンス向上にとどまらず、ドライビングフィールにまで踏み込んだ改良を実施している点が、GT-Rらしい。
試乗車は、プレミアムエディション。最新モデルは、走りの安心感が非常に高い。速度が増すにつれて路面をしっかりグリップする感触が強まる。このフィーリングはデビュー初期のモデルとまったく異なる。
タイヤがランフラット構造ということもありトレッド面はそれなりに固く思えるものの、荒れた路面上でも決して跳ねない。路面を確実にとらえている感覚がつねに伝わってくるのがうれしい。
ステアリング操作に対するコーナリングフォースの立ち上がり(コーナリングパワー)は鋭い。大柄で重量級のモデルにもかかわらず、ハンドリングは低速域からシャープだ。それでも、いっさいの不安感がないのは、速度が高まっても後輪が遅滞なくコーナリングフォースを発し、ステアリング操作の初期段階から4輪がしっかり踏ん張る感覚が強いからだ。
GT-Rはピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション・エンジニアード・バイ・ニスモの4グレード スペシャル版のGT-Rニスモは600psユニット搭載
圧倒的なパワーとスピードは、いまなお世界の超一級品
轍路面などに遭遇した際にその影響を受けにくく、つねに直進性に優れていることも2020年モデルでの見どころ。このあたりも、外乱によって進路を乱しがちだった初期型を思い返すと「隔世の感」がある。
最高570psという高出力を誇るエンジンは、3.8リッターという余裕ある排気量の利点で、低回転域から実用的なトルクを生む。とはいえ、本領を発揮するのは3800rpm以上。アクセルペダルを大きく踏み込むと、1.8トン近い重量を忘れさせる怒涛の加速力が味わえる。圧倒的なパワーとスピードは、いまなお世界の超一級品だ。
さすがに、そろそろ次期型の登場に期待をしたくなる気持ちはある。とはいえ現行型は「世界の最先端を行く走りの実力の持ち主」と断言できる。現行モデルの磨き込みを続けながら、GT-Rらしい新型の開発も積極的に行ってほしい──それがファンとしての正直な気持ちだ。
室内は機能的な造形 写真のファッショナブルインテリア(op55万円)はセミアニリン本革シートとレザー張りインパネを装着
前席はスポーツ走行時のホールド性と日常時の快適性をバランスさせた造形 後席は足元が狭い 乗り心地はしっかりとした印象
中央に回転計を配置 レッドゾーンは7000rpm以上
日産GT-Rプレミアムエディション 主要諸元
グレード=プレミアムエディション
価格=6SMT 1232万9900円
全長×全幅×全高=4710×1895×1370mm
ホイールベース=2780mm
車重=1770kg
エンジン=3799cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=419kW(570ps)/6800rpm
最大トルク=637Nm(65.0kgm)/3300~5800rpm
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:255/40ZRF20/リア:285/35ZRF20
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最高速度=313km/h
0→100km/h加速=未公表
※2007年10月デビュー/2019年10月一部改良 ※最高速度は欧州仕様の数値
3799cc・V6DOHC24Vツインターボ 570ps/6800rpm 637Nm/3300~5800rpm 2007年デビュー時と比較して90ps/25Nmパワーアップ3800rpm以上で本領発揮
フロント255/40ZFR20/リア285/35ZRF20のダンロップ製ランフラット アルミはレイズ製鍛造
エグゾーストシステムはチタン合金製 サウンド調節システム付き