BMWジャパンは1月28日、BMW Mの旗艦4ドアクーペモデルに位置する新型BMW「M8グランクーペ」の日本導入を発表し、同日より発売した。車種展開はM8グランクーペ(2194万円)とM8グランクーペ・コンペティション(2397万円)の2車種で構成。納車は2月上旬から順次開始する予定である。
▲BMW M8グランクーペ・コンペティション 価格:8SAT2397万円 全長5105×全幅1945×全高1420mm/ホイールベース3025mm 車重2000kg 乗車定員5名 コンペティションにはハイグロスブラックのキドニーグリルやモデルバッチ、ドアミラーを装備する
新型M8グランクーペは、サーキットで培われた最新技術を多数採用した高性能な4ドアクーペモデルである。ベース車は8シリーズ・グランクーペで、BMW M社が専用開発したパワートレインやシャシー、内外装パーツなどを精力的に組み込んでいる。
パワーユニットに関しては、Mモデルで最も力強い600ps/6000rpm、750N・m/1800~5600rpmのパワー&トルクを絞り出す4394cc・V型8気筒DOHC・Mツインパワーターボエンジンを搭載する。2基のターボチャージャーに排気ガスを供給するエグゾーストマニホールドにはクロスバンク型を導入し、排気エネルギーを最大限に活用しながら素早いレスポンスを実現。また、燃焼室に燃料を供給するダイレクトインジェクションシステムの最高噴射圧力を350barにまで高めることで、より高効率な燃焼を達成した。さらに、オイル供給については高いレベルでのサーキット走行を考慮して、オイルパンのフロント側に小型のオイルチャンバーをセット。極度の横方向および前後方向の負荷がかかる状況下でも、必要に応じて小型チャンバーからオイル供給が追加できる吸引システムを採用している。
▲エグゾーストマニホールドにクロスバンク型を採用した4394cc・V型8気筒DOHC・Mツインパワーターボエンジンは、M8グランクーペが600ps/6000rpm、M8グランクーペ・コンペティションが625ps/6000rpmの最高出力を発生する
高性能エンジンに組み合わせるトランスミッションには、専用セッティングのドライブロジック付き8速Mステップトロニックを装備する。駆動機構には、ダイミックスタビリティコントロール(DSC)の介入を極端な状況のみに限定し、かつリアホイールに優先的に駆動力を振り分けて車両が安定性を保つために必要なタイミングを見極めてフロントホイールに駆動力を供給する後輪駆動重視のチューニングを施したインテリジェント4輪駆動システムのM xドライブを採用した。また、このM xドライブはドライバーが必要に応じてフロントアクスルとリアアクスルの間の駆動力配分を設定することも可能で、初期設定の4WDモード、ほぼ後輪駆動に近い4WD SPORTモード、DSCをオフにして完全な後輪駆動走行となる2WDモードを設定している。
▲駆動機構には後輪駆動重視の専用チューニングを施したインテリジェント4輪駆動システムのM xドライブを採用する
BMW Mモデルでは、エンジンレスポンスやステアリング、サスペンションなどの特性をドライバーが任意に設定変更できる機能を有しているが、M8グランクーペではブレーキシステム設定の項目が追加され、同時にセンターコンソールに「M MODE(Mモード)」ボタンを設ける。これにより、メーターパネルおよびヘッドアップディスプレイの表示方法、運転支援システムの介入レベルを「ROAD(ロード)」「SPORT(スポーツ)」のいずれかのモードに変更することが可能となった。
▲シューズには前9.5J×20・Mライトアロイホイール+275/35ZR20タイヤ、後10.5J×20・Mライトアロイホイール+285/35ZR20タイヤを装着。制動機構にはM専用インテグレーテッドブレーキシステムが組み込まれる
他のM8と同様、M専用インテグレーテッドブレーキシステムも組み込まれる。同ブレーキシステムは、アクセル全開時の高負荷条件下でも優れた安定性および制動性を実現するように開発。ブレーキ圧を電動アクチュエーターによって生成してより素早く正確な制御を実現する。また、快適性重視のCOMFORTと素早い反応を重視したSPORTの2モードを設定し、車両を減速させるのに必要なブレーキペダルの踏み込み量を変更することも可能とした。
エクステリアについては、ベース車の伸びやかで優雅な4ドアノッチバッククーペのフォルムを基本に、M8ロゴ付のキドニーグリルやサイドギル、専用デザインの空力パーツなどを標準装備。シューズには前9.5J×20・Mライトアロイホイール+275/35ZR20タイヤ、後10.5J×20・Mライトアロイホイール+285/35ZR20タイヤを装着する。ボディサイズは全長5105×全幅1945×全高1420mm/ホイールベース3025mmに設定した。
▲インテリアはモータースポーツ由来のアグレッシブなデザインとラグジュアリーな優雅さを兼ね備えたことが特徴。ハンドル位置は右/左を設定
内包するインテリアでは、モータースポーツ由来のアグレッシブなデザインとラグジュアリーな優雅さを兼ね備えたことが訴求点。Mレザーステアリングホイールに組み込んだ赤色のMボタンとセンターコンソールに配した赤色のスタート&ストップボタンをはじめ、新造形のセレクターレバーにMのロゴを刻むとともにMモデルカラーのステッチを施し、効果的にMモデルらしさを主張する。また、インテリアトリムにはカーボンファイバー材を多用し、高性能スポーツモデルの個性を際立たせた。さらに、前席には立体的にデザインされたMスポーツシートを、後席にはホールド感のある造形で仕立てたスルーローディングシステム(40:20:40分割可倒式)内蔵シートを装備している。
▲電動調整機能や運転席&助手席メモリー機能、M8ロゴ・イルミネーション、アクティブ・ベンチレーション付のMスポーツシートを装着
安全・運転支援機能の高度化もトピックだ。高速道路での渋滞時にドライバーをサポートする「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援システム」や、直近の50m軌跡を記憶して通った道を自動で後退可能な「リバースアシスト」など、最新のシステムを積極的に採用。ほかにも、高性能3眼カメラや高性能プロセッサーおよびレーダー等を活用した先進のアクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)やレーンチェンジウォーニング(車線変更警告システム)およびレーンチェンジアシスト、レーンディパーチャーウォーニング(車線逸脱警告システム)、ステアリング&レーンコントロールアシスト、サイドコリジョンプロテクションおよび衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、クロストラフィックウォーニングなどを装備する。さらに、最新のBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントやBMWオペレーティング・システム、BMWコネクテッド・ドライブも鋭意採用している。
よりアグレッシブなスポーツ走行を想定したM8グランクーペ・コンペティションに関しては、エンジンからデザインまで特別なセットアップが施される。専用チューニングの4394cc・V型8気筒DOHC・MツインパワーターボエンジンはMスポーツエグゾーストシステムなどを組み込み、最高出力が625ps/6000rpmにまでアップ。車両構造部との接続部をより強固にする、極めて硬い専用のエンジンマウントも採用する。また、外装面ではハイグロスブラックで仕立てたキドニーグリルやモデルバッチ、ドアミラー、バイカラーの20インチMホイールなどを専用装備。内装ではMシートベルトやBMW Individualアルカンタラヘッドライナー、フルレザー・メリノ/アルカンタラ・コンビネーションシートなどを装着した。