マツダは1月29日、軽クロスオーバーモデル「フレア・クロスオーバー(FLAIR CROSSOVER)」のフルモデルチェンジを行い、2月27日に発売すると発表した。
▲マツダ・フレア・クロスオーバー・ハイブリッドXG(4WD) 価格:CVT149万9300円 全長3395×全幅1475×全高1680mm/ホイールベース2460mm 車重860kg 乗車定員4名 WLTCモード燃費23.4km/リットル
車種展開は以下の通り。
ハイブリッドXG:2WD136万5100円/4WD149万9300円
ハイブリッドXS:2WD151万8000円/4WD165万2200円
ハイブリッドXT:2WD166万5400円/4WD179万9600円
スズキからOEM供給を受けて販売するマツダ・フレア・クロスオーバーは、スズキ・ハスラーをベースとするマツダ・ブランドの軽クロスオーバー車だ。今回の全面改良は、おしゃれで個性的なデザインや室内空間の広さと使いやすさ、優れた燃費性能などをいっそう向上させながら、先進安全技術の拡充やさまざまなシーンで安心して運転できる走行性能の強化など、すべての領域で進化を図ったことが特徴である。
▲外板色はガンメタリックツートンを3色、ホワイトツートンを2色、モノトーンを4色の全9色展開。ガンメタリックツートンに新色のバーミリオンオレンジ(写真)とデニムブルーメタリックを用意する
まずエクステリアでは、個性的なキャラクターとタフで力強いスタイルを融合させた点がトピックだ。フロント部は丸型ヘッドランプとスクエア基調のグリルという特徴的なアイコンは踏襲しながら、フードを持ち上げることで厚みのあるフェイスを表現。サイドビューは立てたピラーとロングルーフによるスクエア型の大きなキャビン部を構築したうえで、ピラーをボディ同色としてその存在をしっかり見せることで、力強く、頑丈なイメージを持たせた。リアセクションは角を丸めたフラットなパネル面にダークカラーのモール、新造形の縦長リアコンビネーションランプなどを配して遊びの道具感を強調する。また、鉄板による張りや曲げなどの特性を追求し、強く深みのあるボディ断面を表現。さらに、リアクォーターガラスを設置して広い視界を確保した。
外板色はガンメタリックツートンを3色、ホワイトツートンを2色、モノトーンを4色の全9色展開で、ガンメタリックツートンに新色のバーミリオンオレンジとデニムブルーメタリックを用意。また、ツートン仕様はクロスカントリー車に見られる幌やハードトップから発想を得た、遊び心のある斬新な配色に仕立てる。ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1680mmに設定した。
▲インパネはタフな世界観を演出する3連インパネカラーガーニッシュを配し、同時に上下のバーでガーニッシュを挟んで力強い骨格を表現。インパネとドアトリムには車体色に対応したバーミリオンオレンジ/デニムブルー(写真)/グレーイッシュホワイトのカラーパネルを採用する
パッケージングに関しては、新世代プラットフォームの採用により、ホイールベースを従来比35mm延長(2460mm)することで後席乗員の足元空間を確保し、同時に前席の左右乗員間距離を同30mm広げて、快適かつ広い室内スペースを創出する。また、アプローチアングル29度、デパーチャーアングル50度、最低地上高180mmを確保し、走破性をいっそう向上。さらに、ホイールベースを延長しながらも最小回転半径を4.6mとして取り回しのよさを実現した。一方、ラゲッジスペースは荷室側からも操作可能なスライド用ストラップを後席背面に組み込み、シーンにあわせて簡便に荷室容量の調整を可能としたことが訴求点。また、後席の背面やラゲッジフロアには汚れをふき取りやすい素材を採用し、さらに荷室下には取り出しも可能な防汚タイプラゲッジアンダーボックスを装備した。
▲シートは縞鋼板柄のファブリック表皮に、車体色に対応したバーミリオンオレンジ/デニムブルー(写真)/グレーイッシュホワイトのカラーアクセントを施した
インテリアデザインは、"タフで機能的"そして"遊び心"を刺激する、先進的でワクワクできる造形で構成する。インパネはタフな世界観を演出する3連インパネカラーガーニッシュを配し、同時に上下のバーでガーニッシュを挟んで力強い骨格を表現。また、各種情報を見やすく表示するマルチインフォメーションディスプレイ(カラー)をメーター内に組み込んだ。一方、インパネとドアトリムには車体色に対応した3色(バーミリオンオレンジ/デニムブルー/グレーイッシュホワイト)のカラーパネルを採用。シートは縞鋼板柄のファブリック表皮に、車体色に対応した3色(バーミリオンオレンジ/デニムブルー/グレーイッシュホワイト)のカラーアクセントを配した。
▲フルフラットが可能なラゲッジスペースは荷室側からも操作可能なスライド用ストラップを後席背面に組み込み、シーンにあわせて簡便に荷室容量の調整を可能としたことが訴求点。また、後席の背面やラゲッジフロアには汚れをふき取りやすい素材を採用した
走行性能と快適性能の向上にも徹底してこだわる。パワートレインは全車に、発電効率に優れたISG(モーター機能付発電機)により減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電して、その電力を活かして加速時にはモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用。そのうえで、自然吸気エンジンには、デュアルインジェクションシステムやクールドEGRを組み込んだ新開発のR06D型657cc直列3気筒DOHC12V・VVTユニット(ボア61.5×ストローク73.8mm、最高出力49ps/6500rpm、最大トルク5.9kg・m/5000rpm)を採用した。また、ターボエンジンには従来と基本的に共通のR06A型658cc直列3気筒DOHC12Vインタークーラーターボユニット(ボア64.0×ストローク68.2mm、最高出力64ps/6000rpm、最大トルク10.0kg・m/3000rpm)を搭載。モーターはR06DエンジンにWA04C型モーター(1.9kW/40N・m)を、R06AエンジンにWA05A型モーター(2.3kW/50N・m)を組み合わせる。一方、トランスミッションには軽量化と高効率化を果たした新開発のCVTを採用。低中域でのスムーズな走りと、高域でのハイギヤード化により燃費性能と静粛性、そして軽快な走りを実現した。駆動機構に関しては、従来と同様に2WD(FF)とフルタイム4WDを設定。4WDには、ぬかるみや滑りやすい路面で発進をサポートする「グリップコントロール」や急な下り坂でクルマを約7km/hで維持する「ヒルディセントコントロール」に加えて、雪道やアイスバーンでのスムーズな発進をサポートする「スノーモード」を新たに組み込んだ。
▲パワートレインは全車にマイルドハイブリッドシステムを採用。自然吸気エンジンには新開発のR06D型657cc直列3気筒DOHC12V・VVTユニット(49ps/5.9kg・m)を搭載した
基本骨格には、軽量と高剛性を両立させた新世代プラットフォームと、バックドア/センターピラー/サイドドアで形作る「環状骨格構造」を採用する。また、操作性を高め、かつ振動を徹底的に抑えたラック&ピニオン式ステアリング機構、専用チューニングを施した前マクファーソンストラット/後トーションビーム(4WDアイソレーテッド・トレーリングリンク)などを導入し、機構全体で優れた操縦安定性と乗り心地を実現。さらに、ボディのスポット溶接部に「構造用接着剤」を初採用し、部品間のわずかな隙間を埋めることで接合を強化した。
安全および運転支援機能面のいっそうの拡充も実施する。夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」に加え、後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」を標準装備。経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーSワイド」、国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車」に該当させる。また、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」、一時停止標識の認識を追加した「標識認識機能」も設定。さらに、ハイブリッドXTには全車速での追従機能を備えた、マツダ軽初の「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や車線逸脱抑制機能を装備した。フロント/リア/サイド(左右)の計4カ所に設置したカメラの映像を合成・処理し、自車周辺を俯瞰的に見ているような映像を映し出す全方位モニターを導入したこともトピック。これにより、周囲を立体的に360度確認できる「3Dビュー」を可能としている。