ポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツ、レーシングカー

ポルシェジャパンがサーキット専用車両となる新型718ケイマンGT4クラブスポーツをリリース

 ポルシェジャパンは45日、サーキット専用車両となる新型の「718ケイマンGT4クラブスポーツ」を発売した。車種展開は、ポルシェジャパンが主催する新シリーズのポルシェスプリントチャレンジジャパン(PSCJ)への参戦を前提とした「コンペティション」モデル(23619600円)とブランパンGTシリーズのFIA GT4カテゴリー等に参戦するための「FIA GT4」モデル(2714400円)という2バージョンの設定。納車は6月以降を予定している。

ケイマンGT4 1.jpg▲ポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツ 価格:コンペティションモデル6PDK23619600円/FIA GT4モデル6PDK2714400円 全長4456×全幅1778×全高1238mm ホイールベース2456mm 車重1320kg ハンドル位置は左

 新型718ケイマンGT4クラブスポーツの最大の特徴は、天然繊維のボディパーツを採用した点にある。ドライバビリティやラップタイムの向上だけでなく、原材料の持続可能な使用にも焦点を当てた結果、左右ドアやリアウイングに農業副産物から供給される有機繊維の混合物を主体としたマテリアルを導入。また、この素材は重量と剛性に関してカーボンファイバーと同等の特性を備える。結果的に718ケイマンGT4クラブスポーツは、天然繊維コンポジット製のボディパーツを採用した初のプロダクションレーシングカーに昇華した。

 搭載エンジンはミッドシップにリジッドマウントする3.8リットル水平対向6気筒ユニットで、最高出力は先代モデルを40ps上回る425psを発生。この高出力を、6速ポルシェデュアルクラッチトランスミッション(6PDK)と機械式リアデファレンシャルロックを介して後輪に伝える。サスペンションは、フロントに911 GT3カップ用の軽量なマクファーソン式ストラットを、リアにマクファーソン式ストラットを採用し、いずれも高さやキャンバー、トレッドの調節が可能。また、鍛造サスペンションリンクや専用スタビライザーなども組み込んだ。ブレーキシステムは、フロントに"アンチノックバック"ピストンスプリング付アルミ製モノブロック6ピストンレーシングキャリパーを、リアに同機構の4ピストンレーシングキャリパーを、大径380mmのスチール製ブレーキディスクと組み合わせてセット。さらに、溶接したロールケージやレーシングバケットシート、6点式シートベルトなどを備えながら、車両重量は軽量な1320kgに抑えている。

ケイマンGT4 2.jpg▲左右ドアやリアウイングには農業副産物から供給される有機繊維の混合物を主体とした天然繊維コンポジット材を採用。この素材は重量と剛性に関してカーボンファイバーと同等の特性を備えている

 2バージョンの違いを見ていこう。

 コンペティションモデルは、懸架機構に3段階の調整が可能なショックアブソーバーを、制動機構にブレーキバランスシステムを装備。また、長距離レースに適した容量115リットルの安全燃料タンクを搭載する。さらに、迅速なピットストップを実現する統合エアジャッキシステムや安全装置の自動消火システム、911 GT3 R由来のクイックリリースレーシングステアリングホイールなども採用した。ちなみに、コンペティションモデルはPSCJへの参戦(新型718ケイマンGT4クラブスポーツ コンペティションモデルでのPSCJ参戦はシーズン第5戦からの予定)を前提とした仕様のため、ウィンドウネットや運転席側ドアフォームなどのレース用パーツも装備している。

 一方でFIA GT4モデルは、FIA GT4規格に準拠したサスペンションパーツやカーボンファイバー製ボディパネルなどを採用。ブランパンGT等の耐久レースで最大のパフォーマンスが発揮できるようなスペックで仕立てている。

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