楽しさ無限大!便利で愉快なK-SUV、新型スズキ・ハスラーの遊び方!

スズキ・ハスラー 価格:136万5100~174万6800円 試乗記

IMG_3107.JPGスズキ・ハスラー・ハイブリッドXターボ4WD 価格:7CVT 174万6800円 ラインアップは充実装備のX(写真)と実用指向のGの2グレード 駆動方式はFFと4WD

アウトドアテイストを高めたスタイリング。メーカー設定のメモリーナビは秀逸

 新型ハスラーのエクステリアデザインは、一見、キープコンセプト。しかし実車を観察して、さまざまな部分が変わっていた、とわかった。

 まず目につくのはリアクオーターウィンドウの追加。2トーンカラーの場合はこの窓とリアウィンドウ周辺がルーフと同色になる。かつてのジムニーやエスクードに存在した、ソフトトップやハードトップを装着した姿を思わせる。スタイリングは、アウトドアテイストをぐっと高めている。

 ヘッドランプとグリルは旧型に似たデザインにした効果で、ハスラーだとひと目でわかる。縦長のリアコンビランプとバンパーに装着したナンバープレートが印象的なリアビューも同じだ。

 最新ジムニーは現行型で、1stや2ndモデルのデザインモチーフを巧みに採用し、ジムニーらしさを高めることに成功した。ハスラーも同様である。スズキはアイデンティティの継承がうまい。

 ボディカラーは全11タイプ。バーミリオンオレンジ(写真)とデニムブルーは新色だ。オレンジは旧型の設定色よりも濃く、ブルーは渋めのトーンだ。旧型の途中で色調が変わったピンクを含め、落ち着いたボディ色が多くなっている。アウトドアだけでなく街の風景にもすっと溶け込むようなカラーラインアップだ。さまざまなシーンで着こなせる服が増えたような感じだ。

 エクステリアに比べると、インテリアは大きく変わった。スポーツウオッチのプロテクターを思わせる処理でメーター、ディスプレイ、アッパーボックスを囲んだインパネは個性的だ。

 メーカーopとなるメモリーナビは魅力的だった。ディスプレイサイズは大型の9インチ。ホーム画面でナビ、車両情報、オーディオが色分けして表示され、それぞれの部分をタッチすると拡大する。デザインのセンスがよく、使いやすかった。スマートフォンとの連携も可能になったので、いつものお気に入り音楽をドライブ中に楽しめる。

IMG_3093.JPGボディカラーは写真のバーミリオンオレンジ×ガンメタリックなど2トーン6種を含む全11タイプ 2トーン塗装は4万4000円高 ボディは環状骨格構造と構造用接着剤を導入した高剛性仕様

荷室に活用自在なアンダーボックスを新設! リニアな加速が印象的

 前席がベンチタイプからセパレートタイプに変わった点も話題だ。こちらはボディ側面を平面に近づけた結果、室内幅が30mm広がったことで可能になったそうだ。新型はパーソナル感がぐっと増し、ロングドライブが楽にこなせる。新設のセンタートレイは小物の置き場として重宝しそうだ。

 後席の足元空間は35mm長くなったホイールベースのメリットで、ゆとりを増した。とはいえ従来モデルでも身長170cmのパッセンジャーが楽に足を組めるほど広かったので大差はない。それよりも使い勝手がリファインされた荷室のほうがニュースだろう。取り外せるアンダーボックスに要注目。これをどう活用するか。新型ハスラーを使いこなすポイントのひとつだ。

 自然吸気(49ps/58Nm)とターボ(64ps/98Nm)から選べるエンジンは、新開発の前者がとくに心地よかった。マイルドハイブリッドシステムと新設計CVTとの相乗効果で力強い走りが楽しめる。最初にエンジン回転だけが上昇し、あとから速度が追いかけるシーンはほとんどなく、リニアな加速が印象に残った。静粛性もぐっと向上した。スズキ初の構造用接着剤などを用いることで、大幅に高まったボディ剛性の効果もありそうだ。

メインIMG_3215.JPGインパネはメーター/ディスプレイ/アッパーボックスの「縁取り」が個性的 写真は9インチ全方位モニター付きメモリーナビゲーション(18万4800円)装着車 ステアリングは本革巻き

長旅が楽しくなる乗り心地! どこかに遊びに出かけたくなる行動派

 ターボの走りは以前よりたくましい。幅広い領域でパワーが実感できるようになった。しかもターボ専用装備となるアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱抑制機能は、いずれも制御が的確。高速道路を使ってのロングドライブで、快適性が大幅に高まった。

 新型で感心した点は乗り心地だ。ボディ剛性の強化は、本来はこの面のレベルアップのためであり、骨っぽさを残していた旧型とは一変。サスペンションがしっとり動くようになった。これもまた長旅を楽にしてくれるに違いない。しなやかさを増した分、コーナーでは背の高さが気になるシーンがあったのは事実だが、グリップは安定しており、全高に対してシートの着座位置が低いので不安はなかった。

 旧型はファッショナブルなクロスオーバースタイル自体が新鮮だった。新型は旧型の特徴はそのままに、ボディ剛性の強化や新開発エンジンを投入し、クルマとしての基本性能を大幅にアップした。「アウトドアシーンが似合うボディ」に、「アウトドアシーンまでの安全快適な走り」が組み合わされた。新型ハスラーは、遊びにでかけたくなる行動派の最右翼である。

IMG_3268.JPGIMG_3279.JPG前席は乗員間距離が旧型比30mm拡大したことでセパレートシートを採用 後席は左右独立スライド&リクライニング機構付き 室内は広々快適設計 室内長2215mm

IMG_3200.JPG荷室は大型の遊び道具が楽に積める大容量 助手席をたたむと車中泊にも最適なフラットスペースになる

IMG_3218.JPG車両周囲を映す360度モニターは切り返し時フロントビュー自動表示機能付き ディスプレイは明るく見やすい

IMG_3174.JPGタイヤは165/60R15サイズ アルミは切削光輝仕様 最低地上高180mm 最小回転半径4.6m

スズキ・ハスラー主要諸元と主要装備

IMG_3139.JPGグレード ハイブリッドXターボ(4WD)
価格=7CVT 174万6800円
全長×全幅×全高=3395×1475×1680mm
ホイールベース=2460mm
トレッド=フロント:1285×リア:1290mm
最低地上高=180mm
車重=880kg
エンジン=658cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=98Nm(10.0kgm)/3000rpm
WLTCモード燃費=20.8km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=18.5/22.3/21.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:アイソレーテッドトレーリングリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=165/60R15+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=4.6m
●主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/充電制御付きアイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/ロックアップ機構付きトルコン/自動無段変速機
●主要装備:スズキセーフティサポート(デュアルカメラブレーキサポート+前後誤発進抑制機能+車線逸脱抑制&警報機能+ふらつき警報+先行車発進お知らせ+ハイビームアシスト+標識認識機能+後退時ブレーキサポート)/アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)/リアパーキングセンサー/ヒルホールドコントロール/ヒルディセントコントロール/グリップコントロール/LEDヘッドランプ/LEDフロントフォグランプ/フロントスタビライザー/プレミアムUV&IRカットガラス/前後バンパーガーニッシュ/フェンダーアーチモール&サイドスプラッシュガード/リモート格納ドアミラー/フルオートオートAC/本革巻きステアリング/リッド付きインパネアッパーボックス/フロアコンソールトレー/ドアトリムカラーガーニッシュ/後席パーソナルテーブル/6スピーカー/前席シートヒーター/後席左右独立スライド&リクライニング機構/助手席前倒し機構/防汚タイプラゲッジフロア/マルチインフォメーションディスプレイ/キーレスプッシュスタート
●装着メーカーop:全方位モニター付きメモリーナビゲーション18万4800円
●ボディカラー:バーミリオンオレンジ・ガンメタリック2トーン(op4万4000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は7120円

IMG_3295.JPGIMG_3327.JPG△IMG_3337.JPGハスラー・ハイブリッドX(FF) 価格:CVT 151万8000円 自然吸気仕様はデュアルインジェクション機構を採用した新開発R06D型エンジン(49ps/58Nm)搭載 走りは力強くスムーズ 日常ユースを快適にこなす実力派 WLTCモード燃費は25km/リッター(FF)と経済的 写真のボディカラーはダークカーキパールメタリック 室内のアクセントカラーはグレーイッシュホワイト標準 opでデニムブルーが選べる 車重はターボ比10kg軽量の820kg

Follow