これは快適! 定番アル/ヴェルを凌駕したグランエースの豊かな世界とは

トヨタ・グランエース・プレミアム 価格:6SAT 650万円 試乗記

メインIMG_2871.JPGトヨタ・グランエース・プレミアム 海外向けハイエースをベースに開発された新型ワゴン ゆとりのボディサイズを生かした室内空間が魅力 プレミアムはキャプテンシートを後2列配置 駆動方式はFR

圧倒的な存在感。すべてが「規格外」の大形新人登場

 全長は5300mm、全幅は2mに迫る1970mm。そして全高1990mmと、日本の乗用車としては「何もかもが規格外のサイズ」と表現できるのが、トヨタのブランニュー・モデル、グランエースだ。

 短かいボンネットを備えたいわゆる「セミボンネット型」のボディは、昨年、新興国を対象に発売された海外用ビジネスモデル(ハイエース)がベース。FRレイアウトの骨格は、トヨタの新世代高効率プラットフォーム「TNGA」の思想が適用されている。

 ラインアップはシンプル。「要望があるのは確か」と開発陣も理解しているものの、現時点では4WD仕様は未設定。エンジンは2.8リッターのターボ付き4気筒ディーゼル(177ps/450Nm)のみ。これは年間販売目標台数が600台という「小規模販売車」ゆえといえそうだ。

 キャビンは「広大」そのもの。シーティングレイアウトは2×3の6名乗りプレミアムと、2×4の8名乗りGの 2グレードが用意される。
 上級モデルのプレミアムは、 2列目と 3列目にゴージャスなキャプテンシートが装備され、価格はGが620万、プレミアムは650万円の設定だ。

IMG_2879.JPG全長×全幅×全高5300×1970×1990mm ホイールベース3210mm 車重2740kg 最小回転半径5.6m 取り回し性は良好

くつろげる2/3列目キャプテンシート。送迎リムジンという性格

 フロアは1列目、2列目以降とも高い。乗降時の足の運びはスムーズとはいいにくい。フロアが高いのは、FRレイアウトを採用しながら多彩なシートアレンジ性を確保するためフルフラット構造にこだわったことが関係しているようだ。このあたりは、商用モデルとの兼用設計のデメリットと思える。

 2列目シートは前倒しとともに前方へのスライドが行える、マニュアル式のウオークイン機構付き。ただし、使用後はシートバックを起こさないとスライドがロックできず、加減速のたびに移動が続いてしまう。これは要改善ポイントだ。

 パフォーマンスは必要十分。加速はとくに強力ではないものの、1名もしくは2名乗車での試乗時は、ことさらの不足感はなかった。シリーズ内には車両総重量が3.5トンに達するモデルもある。そのため、装着タイヤは商用車仕様で、路面への当たり感はやや硬質。それでもフラットさはまずまずで、ノイズも抑えられている。快適性は十分に「乗用車レベル」にある。

 ボディのワイドさゆえホイールハウス内が広く、駆動力の伝達からも解放されたことで約45度という大きな前輪切れ角がもたらす小回り性の高さ(最小回転半径5.6m)は特筆ポイントだ。大柄なボディだが取り回し性はいい。グランエースは、既存のミニバンとは一線を画した多人数モデルである。

IMG_2960.JPGインパネは直線基調 機能的な造形 視界はワイド 車両感覚は把握しやすい ハンドリングは素直な印象 静粛性は全般的にハイレベル 駐車ブレーキはレバー式 運転席サイドに配置

IMG_2997.JPGIMG_3011.JPGIMG_3023.JPGプレミアムの2/3列目シートは電動リクライニング&オットマン機能付きキャプテン形状 快適性は高水準 室内長3290mm

IMG_2943.JPG3列目シートの格納機構未設定 荷室は大型トランクが楽に積める

IMG_2955.JPG2754cc直4DOHC16Vディーゼルターボ 177ps/3400rpm 450Nm/1600~2400rpm アイドリングストップ標準 WLTCモード燃費:10.0km/リッター

トヨタ・グランエース 主要諸元と主要装備

IMG_2898.JPGグレード=プレミアム
価格=6SAT 650万円
全長×全幅×全高=5300×1970×1990mm
ホイールベース=3210mm
トレッド=フロント:1670×リア:1670mm
車重=2740kg
エンジン=2754cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(ディーゼル仕様)
最高出力=130kW(177ps)/3400rpm
最大トルク=450Nm(46.1kgm)/1600~2400rpm
WLTCモード燃費=10.0km/リッター(燃料タンク容量70リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.1/9.9/11.2km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/60R17+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=6名
最小回転半径=5.6m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/直噴エンジン/電子制御式燃料噴射/過給器/インタークーラー/高圧噴射/充電制御
●主要装備:トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーンデパーチャーアラート+オートマチックハイビーム+ロードサインアシスト)/先行車発進告知機能/パノラミックビューモニター/リアクロストラフィックオートブレーキ/インテリジェントクリアランスソナー/タイヤ空気圧警報システム/2眼LEDヘッドライト/LEDクリアランスランプ/ばね制振制御/デジタルインナーミラー/オプティトロンメーター/スマートエントリー/本革&木目調ステアリング/ハンズフリーレーダークルーズコントロール/本革シート/運転席8ウェイパワーシート/2&3列目エグゼクティブパワーシート/イルミネーテッドエントリーシステム/両側パワースライドドア/後席バニティミラー/前後オートAC/8インチディスプレイオーディオ/DCM(専用通信機)
●装着ディーラーop:Tコネクト・ナビキット11万円/12.1型後席ディスプレイ10万4500円/CD・DVDデッキ4万1250円/フロアマット9万200円
●ボディカラー:ブラック
※2019年11月デビュー ※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万6700円

IMG_2903.JPGボディはスクエア形状 クルマの押し出し感は抜群 ヘッドライトはデイライト&オートハイビーム付き2眼LED バンパー部にフォグを設定

IMG_2986.JPGデジタルインナーミラー標準 後方視界をクリアーに表示 安心感を高める親切設計

IMG_2975.JPG8インチディスプレイオーディオ標準 ナビ機能はディーラーop(11万円)

IMG_2991.JPG快適な時間を提供する後席用12.1型モニターはディーラーop(10万4500円)

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