フィットvsヤリス特集:機能とともに感性性能を追求! 新型フィットの新しさをチェック

ホンダ・フィット 価格:155万7600~253万6600円/WLTCモード燃費:17.0~29.4km/リッター 新車ニュース

メインFT2002217.jpg4thフィットはSUVイメージのクロスターを設定 クロスターは専用フロントマスクとクラッディングパーツでたくましいイメージを演出

「新世代コンパクトのスタンダード」を目指して開発。造形は柴犬がモチーフ

 2001年に登場した1stフィットはコンパクトカーを革新した。「小さいのに広い」、「燃費がよくて、よく走る」など、魅力満載。その実力は販売実績や数々のアワードに表れている。07年に2nd、13年には3rdモデルが登場。モデルライフを重ねるごとに、ホンダの屋台骨を支えるグローバルモデルに成長を遂げた。

 しかし、ここ10年でコンパクトカーの環境は大きく変化した。中でも日本はKカーの成長が著しい。同じホンダが送り出すNシリーズの評価と販売台数は、フィットを脅かすまでになっている。

 新型4thモデルは、歴代モデルの特徴を継承しながら、新時代コンパクトカーのスタンダードを目指して開発された。室内の広さや燃費など数値で表現できる部分はよくて当たり前、人間の五感に響く「プラスα」の要素を数多く盛り込んだという。キーワードは「心地よさの追求」だ。

 ボディサイズは全長×全幅×全高3995×1695×1540mm(ネス・FF)。エクステリアはひと目でフィットとわかるワンモーションフォルムながら、前後のデザインを大きく変更。造形テーマは「柴犬」。身近で頼れる相棒を目指したという。フロントマスクは旧型の「シャープでキリッ」から一転、「穏やかで優しい」表情に。リアは低重心イメージを演出するためコンビランプを縦基調から横基調に変更した。

メインFT2002059.jpg独創のセンタータンクレイアウトにより室内アレンジは自在 ダイブダウン構造の後席を倒すと本格ワゴンに匹敵する広いフリースペース出現

魅力は広い室内。ハイブリッドは2モーター「e:HEV」に進化

 インテリアはシンプルだが、質の高いクラスレスデザイン。水平基調で余分な突起をなくしたインパネ、フル液晶化されたメーターパネル、ダイヤル式になった空調コントロール、2本スポークのステアリングが目を引く。細くても高い衝突安全性能を持つ新構造のフロントピラーにより、ワイドな視界を実現したのも大きなポイントだ。室内の広さは圧倒的。伝統のセンタータンクレイアウトの利点を生かし、居住性/積載性はクラス水準を大きく超える。室内長×幅×高は1955×1445×1260mmだ。

 パワートレーンは従来同様にガソリン/ハイブリッドを設定。ガソリンは1.3リッター(98ps/118Nm)+改良型CVT。WLTCモード燃費は19.6~20.4km/リッター(FF)。ハイブリッドは1モーター式から 2モーター式に変更された。e:HEVと呼ぶ新ユニットは1.5リッターエンジン(98ps/127Nm)+2モーター(109ps/253Nm)の組み合わせ。インサイトやクラリティPHV用をベースにコンパクト化が図られた。日常のほとんどをモーターで走行し、エンジンは発電とモーターの効率が落ちる高速走行時に使用するシステムである。WLTCモード燃費は27.3~29.4km/リッター(FF)。

中扱いFT2002162.jpge:HEVを名乗るハイブリッド機構は1.5リッターエンジン(98ps/127Nm)と2モーター(109ps/253Nm)の組み合わせ 日常ユースはモーターで走行 エンジンは主に発電と高速時に使用 WLTCモードは27.2~29.4km/リッター(FF)

プラットフォームは従来型を徹底リファイン。グレード体系はライフスタイルで選ぶ5種

 プラットフォームは従来の改良型だが、変更個所は多岐にわたる。エンジニアは「今回はプラットフォームの高い潜在能力をフルに引き出すことに注力した。刷新よりも熟成の道を選んだ」と語る。ボディはサスペンション支持部を中心に補強、加えてアルミ製リアダンパーマウント、低フリクションサスペンション、VGR(バリアブルギアレシオシステム)を導入、上級セダンへの採用を見据えて新開発したボディスタビライジングシートと相まって、優しい乗り味としっかりとした操縦安定性を高レベルでバランスした。操縦フィールは初期応答性のいいスポーティな設定ではなく、クルマの動きに連続性のあるトータルバランス重視の味付けになっている。

 安全支援システムは機能が拡充されたホンダセンシングを全車に採用。「つながる技術」としてホンダ車初の車載通信モジュール、ホンダコネクトを装備。インターネットを介してクルマと人と社会がつながる新サービス、ホンダトータルケアプレミアムを展開する。

 グレード体系は一新された。メーカーでは、装備の差ではなくユーザーのライフスタイル/ライフステージで選ぶラインアップと説明する。ホームを中心に、ビジネスユースにも使えるベーシック、フィットネス感覚のスポーティさを表現したネス、小さな高級車リュクス、そしてアクティブなクロスターの5タイプを揃えた。駆動方式は、全グレードでFFと4WDが選べる。

 新型はKカーからのステップアップや、同クラスからの乗り替えをはじめ、上級モデルのダウンサイザーも狙うワイドなラインアップ。ただし走り指向のRSグレードやMTモデルは未設定だ。ユーザーはこうした点をどう評価するのか、気になる。

△FT2002060.jpg6対4分割の後席と助手席を倒すと2mを超える長尺物に対応する便利設計

FT2002061.jpg後席座面をチップアップした状態 観葉植物などが積める空間出現

FT2002201.jpg△FT2002053.jpgワイドな視界が運転をサポート インパネはソフトパッド張り 写真のホームとリュクスは合成レザー(プライムスムース) ネスとクロスターは撥水ファブリック 室内は上質な雰囲気

FT2002055.jpgメーターはデジタル速度計をメインにしたバイザーレスタイプ 多彩な表示画面が選べる

FT2002078.jpg新世代コネクテッド技術「ホンダコネクト」対応 緊急サポートやスマフォ連携操作に対応

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歩行者事故低減ステアリングをはじめ11種の機能をセットしたホンダセンシング標準 アダプティブクルーズコントロールは全車速対応型

FT2002215.jpgデザインは「柴犬」がモチーフ パートナーとして親しみがわく造形を目指した

フィットの諸元です.png

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